阪神カイル・ケラー投手(29)が新球フォークを武器に、来日初の1回無失点に抑えた。4点ビハインドの8回に登板。先頭のグラシアルと川瀬を直球で空振り三振。三森には内野安打を許したが、最後は甲斐を直球で空振り三振に仕留め、1回3Kで圧倒した。「まずは無事投げることができて良かったよ。また今日のような投球ができるように頑張るよ」。開幕守護神を務めながら、2戦連続救援失敗で降格を命じられた3月29日以来のマウンドで、“変身”を見せつけた。

変化球はカーブ、スライダーの横変化が中心だったが、降格後は湯浅らを参考に、縦の変化球のフォークの習得に専念。早速この日は川瀬からファウル、三森から空振りを奪うなど、カウントを稼いだ。「今日はフォークの感覚も良かったし、これまで取り組んできたことをしっかり出すことができたと思う」と納得顔だ。矢野監督はメッセンジャーを例に挙げ「落ちるボール覚えたらどうだっていうところから変われた。そういうボールもゲームの中で使っていっていけば、自分のものにできるチャンスもピッチングの幅も広がると思う」とうなずいた。

ケラーは3月10日にチームに合流。急ピッチで開幕に向けて調整し、昨季の守護神スアレス(現パドレス)の代役として期待されていた。だが開幕ヤクルト戦(京セラドーム大阪)で2本塁打を浴びるなど2試合連続負け投手になり、約2カ月間の2軍暮らしが続いた。だが、2軍でフォークを習得し、登板17試合で防御率1.69。13試合連続無失点をマークして復活した。さあ、ここから名誉挽回といきたい。【三宅ひとみ】

 

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