ロッテ佐々木朗希投手(20)が交流戦の最後に“鉱脈”を得た。中7日でのDeNA戦は8回1失点、勝ち負けはつかなかった。疲労もあってか直球の平均球速は157・8キロ。代わりに、ここまで比率の低かったスライダーを多用し、凡打の山を築いた。12日にも登録抹消になる見込みで、次回は最速で22日西武戦(ZOZOマリン)での先発が可能になりそうだ。真夏の中6日へと力を蓄える。

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佐々木朗が新たな手札を切った。2回、DeNA牧にカーブを右翼テラス席に運ばれた後、6番桑原から空振り三振を奪った。右打者の桑原から逃げる145キロの変化球は、紛れもなくスライダーだった。

「必要だと思ったから投げました」

理由はシンプルだ。「初めて中6日で投げ続けて、もちろん疲れとかある」との状況下で勝つため、長い回を投げるため。桑原への球を皮切りに、強く切り続けた。全94球中20球で、比率は21・3%。試合前まで今季全投球の4・0%に過ぎなかった球を、7割のストライク率で制御してみせた。「早いカウントで打ち取ることができました」と振り返る総括の、基盤を支える球種になった。

強烈なフォークで三振の山を築いてきた。一方、大船渡高時代の変化球はスライダーが7割近くを占めた。プロ入り後に「僕の中ではスライダーは特に(調整に)時間がかかるので」と話したことがある。フォークがカットボール気味に動くこともあり、捕手松川もスライダーのサインをあまり出してこなかった。

130キロ前後のカーブに緩急を求め、ここに来て140キロ超のスライダーが安定して操れるようになったのは今後にも大きい。

「思ったよりも効果的だったとは思うので。相手の選択肢が増えたら増えたで自分としても楽になるので、うまく使っていけたらなと思っています」

牧には1-1からのカーブを運ばれた。「高かったのが全て」と反省しつつ「ああいう1発を気にしていたらしょうがないので」と攻めの投球を貫く。次回登板は早くても11日後で「まずはコンディションを整えてから」と回復が優先だ。かつての宝刀が、第4の球種として奪三振ショーに加わる。ライバルをますます悩ませる。【金子真仁】

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