西武山川穂高内野手(30)が日本人最速の通算200号に王手をかけた。4回に楽天田中将大投手(33)から22号ソロ。これで695試合目の出場で通算199号とした。これまでの日本人最速200号は、田淵幸一と秋山幸二の714試合。記録更新へ向けては18試合を残し、カウントダウンは「1」となった。チームは4-3で勝利し、勝率5割に復帰した。

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打球音の後もどよめきはない。少し深いセンターフライかのように思われた。4回無死。カウント0-2と追い込まれた後の3球目、山川は田中将の137キロスライダーをかち上げた。ふわり舞い上がった白球は、なかなか落ちてこない。蒸し暑い仙台の夜空をグングン伸びていく。中堅辰己がフェンスにへばりついた。その上を越えた。

センター右のスタンドで大きく弾む。そこで、どよめきが起こった。通算199号は、驚嘆の1発。その感情は山川自身も一緒だった。「スタンドに入ってくれるとは思いませんでした」。まさか入ると思わなかった分、湧き上がる喜びも増した。規格外のパワーを見せつけた。満面の笑みで軽やかにダイヤモンドを1周した。

日本人最速ペースであり、史上113人目の通算200本まで残り、1本になった。これが695試合目。714試合という日本人最速200号到達の更新へ「18試合」も残した。今季は55試合で22発と打ちまくる。一気に見えてきた。名誉な勲章であるが、特別な意識は薄い。「僕ずっと2軍にいましたからね」と笑う。富士大からプロ入り後、2年間はファーム暮らしの日々。1軍出場は15試合だった。それは一番、本人が分かっている。

「毎回ホームランを打つつもりで打席に入っていますし、明日(25日)もいつもと同じ準備をして、いつも通りやるだけです」。今なら普通にやれば、普通に打てる。次の1本も「通過点」にしか過ぎない。【上田悠太】

○…川越が攻守に存在感を発揮した。打っては2安打3打点。3回は同点2点適時二塁打。さらに6回は右翼へ1号ソロを放ち、「塁に出ようとの意識で打席に入った結果が本塁打になってくれて良かった」。6回2死二塁のピンチでは右翼からレーザービームで同点も阻止。「ホッとしました」とリクエストが覆り、安堵(あんど)した。

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