広島がDeNA12回戦(横浜)の延長12回の熱戦を制して5連勝を飾り、6月10日以来の勝率5割に復帰した。1回に先制を許しながら、交流戦明け活発な打線が逆転。勝ちパターンを投入した終盤に追いつかれるも、延長12回に代打策がぴたりとハマり、決勝点を奪った。阪神、DeNAと今季抜群の相性を誇る2球団との6連戦を5勝1分けの“連勝ウイーク”とした。

   ◇   ◇   ◇

今週3度目の延長戦を総力戦で制した。12回、先頭の代打羽月が一塁頭上を襲う二塁打で4イニングぶりに出塁すると、1死三塁から代打松山が中堅に決勝犠飛。勝ちパターンの森浦、栗林がそれぞれ失点して逃げ切ることはできなかったものの、つながりが戻った打線がカバーした。

佐々岡監督は「選手全員、この1週間タフな試合が続いた中で頑張ってくれた」と熱戦を戦い抜いたナインをたたえた。5回まではDeNA先発京山に4安打に抑えられるも、6回に攻略した。1死二、三塁。すでに2安打のマクブルームが148キロを捉え、右越え二塁打で逆転した。助っ人は8回にも追加点につながる左前打を放ち、来日2度目の4安打。安打が止まった終盤は、12回に代打策がピタリとハマった。若い羽月がチャンスメークし、ベテラン松山が決めた。

交流戦明けから広島打線につながりが戻った。交流戦後9試合で計99安打。1試合平均11安打と当たっている。2桁安打は5試合連続となった。けん引するのはつなぎの打撃を実践する4番マクブルーム。交流戦は苦戦したものの、セ・リーグとの対戦に戻ってから好結果が続く。シーズン打率2割7分2厘も、セ・リーグ5球団を相手にした打率は2割9分4厘と上がる。

延長戦3度や広島から横浜への移動日試合など過酷な日程も、抜群の相性の2球団から勝ち星を積み重ねた。今季、阪神には9勝2分けで無敗。DeNAには11勝1敗だ。お得意様相手に、1分けを挟み5連勝。6月10日以来の勝率5割に復帰した。来週は今季1勝7敗1分けのヤクルト、4勝8敗の巨人との6連戦が待っている。佐々岡監督は「1週間よく頑張ってくれたので、またマツダでカープファンの声援の中でヤクルト、巨人としっかりと。また1つずつやるだけです」と表情を引き締めた。この勢いが本物かどうか。真価が問われる。【前原淳】

▽広島マクブルーム(4安打2打点)「状態は変わらず、いいと思っている。ただ、次の日に同じような状態で入っても、ヒットが打てないことも起きる。ジェットコースターのように長いシーズンですけど、とにかく気持ちだけは変わらないように。しっかり準備してゲームに入っていく」

【関連記事】広島ニュース一覧