阪神青柳晃洋投手は15日中日戦(甲子園)で球宴前2ケタ星到達の期待がかかる。達成すれば、阪神投手では03年井川、ムーア以来19年ぶりの快速到達。それでも本人は「僕はずっと13勝とか15勝とかを目指してやってきている。あくまで10勝は通過点。あまり気にはしていない」と冷静だから頼もしい。

最多勝、最高勝率、防御率の投手主要3部門でリーグトップを走る。13試合先発で9勝1敗、防御率1.36。4完投はリーグ最多、2完封も最多タイだ。86奪三振もリーグ最多の中日柳にわずか2個差。「投球の幅が広がって、調子の波は少なくなったかな」。引き出しの増加には確かな手応えがあるようだ。

キャンプ中から「スライダー、ツーシームに頼らない投球」に磨きをかけてきた。前回8日ヤクルト戦は「スライダーがあまり良くなかった」という状態で3安打完封勝利。7回には先頭の2番山崎に13球粘られながら、最後はフルカウントからカットボールで空振り三振を奪っている。

「球種の選択肢が広がった。自信のある球がダメな時に代用するボールがすごく増えた」。昨季は9月に3連敗を喫したが、今季は同じ轍(てつ)を踏みそうにない。まずは自身7連勝で2年連続の2ケタ勝利を駆け抜ける。【佐井陽介】

○…アーロン・ウィルカーソン投手が中11日で12日の巨人戦(甲子園)に先発する。5月の月間MVPに選ばれたが、6月は4試合で未勝利に終わった。5月27日のロッテ戦を最後に勝ちに見放されている。それでも宿敵相手に、3戦で2勝負けなし、防御率は1.50と相性はバツグン。「彼らは本当に、巨人はいい打者がそろっているというイメージ。本当に対戦が楽しみです」。日本の暑さ対策については「脱水症状にならないようにしっかり水を飲むこと。あとは汗がしたたり落ちないように、長袖のアンダーシャツを着たり、対策していきたい」と話し、万全を期す。

○…伊藤将司投手が14日の巨人戦(甲子園)に登板する。10日のヤクルト戦に先発予定だったが、中止になり中11日で登板となる。G倒を期待されての登板になるが「そうやって信頼してもらえたら、うれしいです。任された自分の仕事をしていきたいなと思います」と気を引き締めた。巨人は5月22日の対戦でプロ初完封をした相手。「イメージはいい。打順が変わったので、そこをしっかりマークしながらいけたら」と6勝目を狙う。

○…出場選手登録抹消中の桐敷拓馬投手が甲子園での投手練習に参加した。7日の広島戦では5回4安打1失点の熱投でアピール。18日の広島戦(マツダスタジアム)に先発する見込みで、プロ初勝利のチャンスを再び巡ってきた。「次のチャンスもらえたのもすごくありがたいですし、次は初勝利をとりたい。前回の反省点を意識してやっていきたい」と気合十分だった。

○…西純矢が12日のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)で先発する。1軍の6月26日中日戦(甲子園)で4回1/3、4失点でKOされて以来、中15日での実戦登板となる。安藤2軍投手コーチは期間を空けたことに「リフレッシュも調整も。もう1度立て直していこうとやっています」と説明した。西純は5月から1軍の先発ローテーション入りし8試合で3勝2敗、防御率3.64だった。

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