BIGBOSSの妙策が試合を決めた。最下位の日本ハムが静岡で3位楽天に連勝し、チーム3年ぶりの6連勝をマークした。5回1死二、三塁で新庄剛志監督(50)が宇佐見真吾捕手(29)に命じた「フルカウント・スクイズ」が成功。試合の流れをがっちりつかむと、投手陣も10年ぶりとなる6試合連続2失点以下と盤石の試合運びで今季11度目の0封勝利。勢いが止まらなくなってきた。

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BIGBOSSの妙策がチームを3年ぶりの6連勝に導いた。0-0の5回に日本ハム新庄剛志監督(50)が宇佐見真吾捕手(29)に命じた「フルカウント・スクイズ」が成功。流れをつかむと、投手陣も10年ぶりとなる6試合連続2失点以下の快投で、今季11度目の0封勝利。「いいゲームを見せられてうれしい」と会心の静岡ナイトで、勢いが止まらなくなってきた。

大胆で繊細な奇策が決まった。5回1死二、三塁。「予報では雨が降ってくるので先に1点取りたい」。3球目にスクイズを仕掛けたがファウル。だが、新庄野球の真骨頂はここからだった。7球目、宇佐美が再びスクイズにトライ。フルカウントから敢行する超異例の作戦がズバッと決まり、先制点をゲットした。

新庄監督 あの場面、2ランスクイズだったんですよ、本当はね。

6月11日の中日戦でも決めた「3バント2ランスクイズ」が狙いだった。打球を捕球した一塁手の鈴木大が一塁送球すれば、二塁走者の浅間も一気に本塁生還する作戦。ただ、鈴木大の本塁送球は想定外だった。「ホームに投げてくると思わなかったから(三塁の)稲田コーチがストップ」。二塁走者が本塁生還を狙っていれば、捕手の炭谷は一塁に投げずに三本間で挟殺プレーを狙う可能性が高かった。好機をしぼませなかった「稲田コーチのファインプレー」と感謝した。

妙策の根拠は“新庄勘ピューター”の発動だった。

新庄監督 フルカウントなのでストライク取ってくる。あと6球目のファウルがポイント。次も打ってくると思うところを狙った。

宇佐見 一、三塁になった時点で、スクイズかセーフティースクイズか、エンドランはあるなと思った。2ボールから打ってファウルになっちゃったけど、あの打席では何かしらのサインが出ると準備していた。

0-0の投手戦で試合後半は雨予報。先取点を取られたくない投手心理を読み、警戒も薄れたところを狙った。「スクイズをやろうとタイミングを計っていた」。全部ドンピシャだった。

新庄監督 追い込まれて(スクイズが)ファウルになったら俺のせい。思い切ってバントしなさいって、キャンプ中から言っている。決めてくれるところがまた、うれしいですね。

春季キャンプインの前夜、沖縄・名護で見た花火に感涙した新庄監督。6連勝を祝い、右翼上空に上がった静岡の花火も格別だったに違いない。【木下大輔】

▽宇佐見(5回にフルカウントからスクイズ成功)「一、三塁になった時点で、スクイズかセーフティースクイズかエンドランはあるなと思った。2ボールから出てファウルになっちゃったんですけど、あの打席では何かしらのサインが出ると準備していた」

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