どすこい祭だ!わっしょいわっしょい!全パの西武山川穂高内野手(30)が大暴れした。2回先頭、左翼席中段に1発を運び、自身2度目の「球宴どすこい」を決めた。試合前の選手紹介では、馬のかぶり物、試合中にはロッテ佐々木朗とのフリップ芸ではお茶の間の笑いを誘った。沖縄生まれのお祭り男が、敢闘選手賞、マイナビ賞と、12球団のファンのハートをがっちりつかんだ。

 

この男にかかれば、何でもありだ。登場シーンはもはや山川ではなく“ウマ川”だった。試合前の選手紹介。名前をコールされると、「自分で考えて、調達しました」という白馬のかぶり物姿で登場した。“ウマ川”のまま全パナイン、監督陣とグータッチ。つかみのボケが決まった。

試合でも“出オチ”に負けない活躍だった。2点を追う2回先頭、阪神青柳の143キロ速球を振り抜いた。打った瞬間にそれと確信し、ゆったり歩きながら右腕を掲げた。19年以来、球宴2本目のアーチとなるソロを左翼席中段に突き刺した。ベンチに戻ると球団の垣根を越えて、球場中のファンとどすこい三唱。「打った瞬間、ホームランを確信しました。すごく気持ちよかったです!ファンの方とまた『どすこい』ができたことがうれしかったです!」とかみしめた。

同点の7回2死一、二塁のチャンスではMVPがチラついてガチガチに。「打っていれば(MVPの)300万だろうなと思って力みまくった。意識しまくってました」と遊ゴロに倒れたが、1発を含む2安打で敢闘選手賞とマイナビ賞に輝いた。パ・リーグトップの29本塁打を引っ提げて臨んだホームランダービーはソフトバンク柳田に敗れたが、この男にはどこ吹く風だった。

尻上がりに“ボケ”は加速した。試合中にロッテ佐々木朗とのフリップ芸を披露。やりたい放題な姿に、SNSでも「山川穂高」がトレンド入りし、全野球ファンをとりこにした。そして“オチ”は、サヨナラ弾の日本ハム清宮の頭をピコピコハンマーでたたいて、ホームベースに迎え入れた。「今日のオールスターは、過去の中でも一番楽しかったです!ホームランは常に狙ってます。野球少年や野球少女たちに、夢を与えることができたらと思ってますので」。年に1度の“夢の祭典”。山川には放物線とお祭りが、よく似合う。【小早川宗一郎】

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