DeNAは7月29日からの巨人3連戦の中止を受け、2日広島戦(横浜)から後半戦のスタートを切る。7月は10勝7敗2分けで、最大9あった借金を一時完済するなど、借金3の4位で前半戦を折り返した。反撃へのキーマンに挙がるのは、守護神に復帰した山崎康晃投手(29)。ここまで33試合に登板し0勝2敗20セーブ、防御率2・20と安定する右腕が、前半戦の戦いを振り返りながら、後半戦への思いを語った。【取材・構成=久保賢吾】

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6月29日の阪神戦。山崎は9回を無失点で締め、今季初めて横浜スタジアムのお立ち台に上がった。少し声を上ずらせ、その目には光るものがあった。

山崎 あれだけ大勢のファンの皆さんの前で涙するのはみっともないな、って強く思っていたので、絶対に涙は流したくないって思ってたんですけど、いざ立ってみて、お話ししていると家族のことであったり、ここ2年間の長いトンネルだったり、思うことがあふれて、ああいう感情になったのかなと思います。

「またこうして、こういう景色を見られて、クローザーに戻れて、本当によかった」とかみしめながら、大事に大事に言葉を紡ぐ姿はファンの心を打った。

山崎 正直、どこまでお話をしたらいいのかなと。しゃべりすぎるのも良くないなと思ったり、かと言って、言葉足らずだとせっかく立ったお立ち台なのにもったいないなと思いながら。自分の気持ちに正直になって、感情をあらわにすることもありましたけど、あの後、いろんな人から言葉をもらって、うれしかったです。

シーズン開幕前、三浦監督から守護神を通達された。選手時代は自主トレをともにするなど、尊敬する指揮官から2年ぶりの開幕守護神の指名に心は燃えた。

山崎 三浦監督から『クローザー、頼むぞ』という言葉をいただいて感慨深いものがありましたし、絶対に渡さないぞと。いろんな思い、判断がある中で僕を信じて、選んでくれた監督に対してもそうですし、ピッチングスタッフ、応援してくれる人たちのためにも1年間頑張らないといけないなと強く思いました。

20、21年の2年間は苦しんだが、今季は守護神として復活を遂げた。自身が感じる変化はどこにあるのだろうか。

山崎 オフの過ごし方はいろんなものを見直して、取り組めたのかなと思います。体重に関しては、去年から5キロくらい落ちています。必死こいて、トレーニングは誰にも負けないっていうつもりで臨みました。

今季はここまで33試合中、21試合で完全投球。5月31日のオリックス戦ではわずか5球でセーブを挙げた。0勝2敗20セーブ、防御率2・20と、安定した投球を見せる。

山崎 自分の「間」をしっかり使いながら戦えているのかなというのは感じています。打者をしっかり見ることであったり、相手との心理的な戦術ですよね。そこは今までと違う部分で、これまでの経験も生きているのかなと思います。

2日の広島戦から後半戦が始まる。残り54試合。「反撃」には守護神の活躍は不可欠となる。

山崎 この2年間、僕自身も本当に苦しみました。ファンの皆さま、チームの期待に応えられず、いろんな選手を補強していますが、僕がしっかり一本立ちして、後ろに構えていることが最大の補強だと思っています。だんだん数字のプレッシャーとかも戦いの中に入ってくると思いますが、その中で9回のマウンドには僕がどっしりと強く立ち続けていたい。ピッチャーを引っ張っていきたいという強い思いがあります。

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