BIGBOSS流の首脳陣シフトで残り試合を戦う。日本ハムは5日、武田勝投手コーチ(44)を2軍投手コーチへ配置転換することを発表した。新型コロナ陽性判定を受けた1軍首脳陣が全員復帰したことに伴い、1軍に同行していた矢野謙次2軍打撃コーチ(41)は帰任。さらに武田コーチも2軍に移り、新庄剛志監督(50)ら1軍首脳陣は9人から8人となった。

新体制で臨んだこの日のオリックス戦(京セラドーム大阪)は逆転負けとなったが、試合後に指揮官は配置転換の意図を説明した。「どういうピッチャーになってほしい、という俺の考えをBOSS組(2軍)のピッチャーたちに教えに行ってもらう」。BIGBOSSイズムを投手陣全体に浸透させることで、どの投手も昇格した際に「スッと入りやすい」形に整える。

一方で、今回の配置転換で試合中のベンチには投手コーチが不在となる、極めて異例の体制となった。

コロナ禍に見舞われる前半戦終盤まで、武田コーチはベンチ入りして投手交代などでマウンドへ向かう役割を担っていた。同様に加藤投手コーチはブルペン担当、島崎投手コーチは相手打線の分析や対策を講じるスコアラー業務と役割分担していた。

後半戦初戦からは先に現場復帰した山田バッテリーコーチが武田コーチの役割を引き継いだ。加藤、島崎両コーチは復帰後も前半戦と同じ役割を継続することになり、ベンチに投手コーチ不在のシフトとなった。

新庄監督は、前半戦は主にコーチ陣に任せてきた投手起用について、後半戦からは「俺が、やります」と明言済み。かねて継投などについては「ピッチングコーチも僕も、勉強しながらのシーズンにしたい」と話していた。攻撃面で見せる斬新な采配に続き、新たな体制で独自の投手運用法の確立にも本格着手した。【木下大輔】