気迫の投球で感情を爆発させた。巨人井納翔一投手(36)がほえた。同点の7回に登板すると2死一塁、ヤクルト塩見をフォークで空振り三振に仕留めてガッツポーズ。8回の攻撃で打線が決勝点を挙げ、ようやく移籍後初勝利をつかんだ。「去年来てからまったく仕事をしてない。ファンの人からもすごいことも言われたりした。やっと今日勝てた」とかみしめた。

DeNAからFA加入1年目の昨季は5試合の登板にとどまり、5月中旬以降は若手投手と一緒に2軍暮らし。「空回りしすぎて、全然結果も出なかった」。移籍2年目の今季、6月22日DeNA戦(東京ドーム)では、暴投を含む4球連続ボールの四球で即降板、2軍行きという悔しさも味わった。それでも常に腐らず、明るく。若手投手に助言を求められれば、プロ10年目の経験を惜しみなく伝えた。立場も年齢も関係なく、真っすぐ向き合うのが“宇宙人”流だった。

新型コロナ感染者がチーム内に続出した影響で後半戦から1軍に合流。巡ってきたチャンスで1カ月ぶりの3連勝をもたらした。「これでファンの人に許してもらえることではないですけど、このままやっていければ」。5歳の息子に「パパを見たい」とせがまれた1軍マウンドで、“宇宙人”が進撃を始める。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(井納の移籍後初勝利に)「続けてくれるとね。彼への期待はかなり大きなものであるわけだから。こんなことで満足してほしくはないね」

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