阪神先発の西勇輝投手(31)が巨人打線を圧倒した。散発3安打で今季2度目の完封ショー。22年の伝統の一戦は2戦17イニング0封のキラーぶりで、2年ぶり2桁勝利王手の9勝だ。

「自分の投球、チームの雰囲気、流れ、大事なところをゼロで抑えることができたのは良かったなと思っています」

最後まで集中力を研ぎ澄ました。7回に佐藤輝の先制打で援護を受けたその裏、中田に四球を与え、2死一塁で岡本和を迎えた。だが冷静に変化球で追い込むと、最後は116キロのカーブで空振り三振に斬ってガッツポーズ。9回は再び岡本和との対戦で三ゴロに打ち取って試合を締め、坂本と笑顔で抱き合った。

「西&西リレー」も初めて決まった。遠縁にあたり、自主トレも一緒に行う西純が前日18日のヤクルト戦(神宮)で約1カ月半ぶりに1軍登板。気迫の5回2失点で4勝目を挙げた。西勇はヒーローインタビューで、この日の試合前練習の2人の会話を明かした。「(西純が)良い顔をして朝会って『今日お願いします!』って上から言ってきたので」。笑顔でかわいい弟分をいじりながらも「しっかり僕も投げようとと思って投げました」と刺激を受けての登板だった。西純と西勇が連続で先発するのは通算12度目だったが、ダブル白星は初めて。チームの8連敗後、2人で連勝軌道に乗せたのだから、東京で会心の西&西ナイトだ。

矢野監督も投球術を絶賛した。「しっかり、コーナーを丁寧に突いたり、緩急を使ったり。素晴らしい、申し分ない投球でした」。通算300試合の節目マウンドを完封で決めたプロ14年目のベテランも会心の笑顔だ。「積み重ねが300登板で、しかも完封することができたし。これからもケガなく登板数を重ねていきたいなと思います」。満足することなく、さらに勝利を積み重ねる。【三宅ひとみ】

▽阪神坂本(2試合連続スタメン出場。西勇を好リード) ボール自体はすごくいいわけではなかったですけど。テンポよく投げていたし、向こうは積極的に打ちにきていたので、早めに勝負球になるだろうと話をしながら。もともとコントロールがいい投手で、コースにもサイドにも低めにも緩急も使えるので、ランナーをためないようにやった結果がよかったんじゃないでしょうか。

▼西勇が4月5日DeNA戦(甲子園)以来、今季2度目の完封勝ち。巨人戦では、20年9月17日に東京ドームで完封勝ちして以来、自身2度目。

▼西純と西勇が続けて先発する「西西リレー」でともに白星がついたのは12度目にして初めて。西純→西勇は過去6度、西勇→西純は過去5度あったが、続けての勝利投手はなかった。

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