阪神が苦手広島にカード3連勝し、8月11日以来の勝率5割復帰した。3番近本光司外野手(27)が打線をけん引。5回の2号ソロなど4安打の固め打ちを見せ、安打数でセ・リーグトップのヤクルト村上に並んだ。投げては、先発才木浩人投手(23)が6回で自己最多タイの9三振を奪って無失点。6回降雨コールドで完封勝ちをものにした。4位巨人とのゲーム差を4に拡大。2日から甲子園で宿敵を迎え撃つ。
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近本は瞬時に祈った。「頼む、入ってくれ!」。ファンの歓喜がスタンドインを知らせた。「打球が上がらなかったので、『あ~、フェンスかな~』と思っていたんですけど、風がいつもと違う風だったので」。1点リードの5回1死。右翼スタンドにライナーで2号ソロを決めた。通常の浜風とは逆となる、左翼から右翼方向に吹いた風のアシストも受け、追加点をたたき出した。
7月8日のヤクルト戦以来、約2カ月ぶりのアーチは昨年10月19日以来、317日ぶりの甲子園弾。2ボールからの一撃。野村の141キロを逃さなかった。ファーストストライクを確実に仕留める男が意識していることは、極めてシンプルだ。「1試合で4打席あったら、4球で終わってもいいと思っているので。場面によっては考えるけど、来た球を打つ。それだけです」。3番でも、1番でも変わらない。究極の好球必打の思考が、根底にある。
初回に中前打、3回は左前打、6回の遊撃内野安打は、好機を広げるつなぎの一打になった。今季13度目の猛打賞どころか、昨年4月18日以来の4安打。8月は新型コロナ感染で11試合の離脱がありながら、安打数で「3冠王」のヤクルト村上に追いつき、136安打はリーグトップタイとなった。2年連続最多安打へ向けスパートかと思いきや、「諦めているところもあるので、個人の成績では…」。チームへの思いが心を突き動かす。
「『なんとか』っていう気持ちですね。なんとかヒット打つ、なんとか投げさせる、なんとか勝ちをつけさせる…。自分の中ではモチベーションになっている」
3番が大暴れし3連勝。残り19試合、近本がなんとかしてくれる。【中野椋】



