「村神様」が「ゴジラ」に並んだ!! 

ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、3試合ぶりとなる50号先制3ランを放ち、日本選手では02年松井秀喜(巨人)以来、20年ぶりのシーズン50発を達成した。3回1死一、三塁、中日大野雄から右翼席中段へ。22歳での大台到達は、64年王貞治(巨人)の24歳を更新する最年少記録となった。主砲の決勝弾でチームは5連勝で今季両リーグ一番乗りとなる70勝。敗れた2位DeNAとのゲーム差を「7」に広げた。

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衝撃の5打席連発からちょうど1カ月後、村神様がまたも本拠神宮で節目のアーチをかけた。3回1死一、三塁。村上は中日大野雄に対し、カウント2-1からの4球目、外角133キロカットボールを強振。打った瞬間それと分かる打球が、燕ファンの歓声にも乗って右翼席中段へ着弾。今季50度目のダイヤモンド1周を終えると、山田、オスナらとタッチを交わし、ベンチ前ではサンタナと「ロータッチ」。

「何とか外野にもっていこうという意識で打席に立ちました。いつもほどではないですけど、いい角度で上がってくれたので、入ったかなと思いました」と振り返った。

同じ背番号「55」を背負った偉大な左打者の先輩は、入団前から意識していた存在だった。ドラフト1位指名後の17年11月の仮契約の際に「55と言えば松井秀喜さん。いずれは自分が55と言われるようにがんばりたい」と目標に掲げた。入団から5年で「ゴジラ」に並んだことに「この番号をもらった時から目標にしていましたし、その数字というのを今日、並べたというのは、すごく誇りに思います」とうなずいた。

6月、7月と2カ月連続で月間MVPを獲得し、8月も打率4割4分、12本塁打、25打点の好成績でチームをけん引。9月に入っても勢いは止まらず、最初の試合で節目に到達。次々と記録を更新しても、そこに浸ることはない。8月26日に史上最年少で通算150本塁打に達した際も「数字じゃなく、1日1日、成長したいなと思います。そこに数字だったり、記録だったりがついてきてるので。残り何年野球が出来るか分からないすけど。そこの目標だけは崩さずやりたい」と達観した様子だった。

お立ち台では、勝利投手となったサイスニードからの“ラブコール”に「サイスニード、大、大、大、大好き~」と返した村上。目先の数字に一喜一憂せず、勝利のために打ち続ける。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(50号の村上について)「節目の、すごくいい数字だと思います。18歳の時から見ていてかわいい少年で、いまだにかわいいですけど。大きく成長したと思います」

▽ヤクルト長岡(7回にダメ押しの適時打)「山崎さんが盗塁してくれて、シングルでもかえってきてくれると思ったので、コンパクトに打ちました」

▼ヤクルト村上が50号。シーズン50本塁打以上は13年バレンティン(ヤクルト=60本)以来10人目(15度目)。日本選手では02年松井(巨人=50本)以来6人目。22歳シーズンでの到達は、64年王(巨人)の24歳シーズンを更新する史上最年少となった。

▼チーム119試合目での50号到達は13年バレンティン(111試合目)02年カブレラ(西武=117試合目)に次ぐ史上3位のハイペース。外国人選手を除くと64年王、86年落合(ロッテ=ともに122試合目)を上回る最速になる。残りは24試合。現時点のペースは60本でバレンティンのプロ野球記録に届く。

▼村上は今季19度目の勝利打点(V打)。15年畠山が記録した球団のシーズン最多V打に並んだ。

◆大リーグの年少シーズン50本塁打 07年にプリンス・フィルダー(ブルワーズ)が史上最年少の23歳4カ月(139日)で到達。2位はウィリー・メイズ(ジャイアンツ)の24歳4カ月(137日)。のべ47人がシーズン50本塁打を記録し、最多はベーブ・ルース(ヤンキース)、サミー・ソーサ(カブス)、マーク・マグワイア(カージナルスなど)の3人が50号を4度マーク。歴代2位755本塁打のハンク・アーロン(ブレーブス)は50発シーズンが1度もない。

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