昨季王者のオリックスが、129試合目で今季初の単独首位に立った。

この日はエース山本由伸投手(24)が7回111球4安打2失点(自責1)と好投し、リーグトップの13勝目をマークした。

エースの貫禄を見せた。初回に味方失策もあり、1点を失ったが、その後1死満塁のピンチでは、6番柳町を一併殺に打ち取った。

首位決戦でギアを上げた。この日は自己最速タイの158キロを計測。試合前には「ここからが本当の勝負どころになってくる」と勝負の9月に、静かな闘志を燃やしていたが、マウンドでは絶叫を続けた。

勝利への熱意が打撃陣を鼓舞した。2回に8番紅林の適時打で追いつくと、3回には選手会長の吉田正が15号勝ち越しソロを右翼5階席へ突き刺した。

ルーキーも躍動した。1点リードの4回2死満塁で2番起用された渡部が、右翼へプロ初安打となる2点適時打を放ち、喜びを爆発させた。起用した中嶋監督も、一塁側ベンチで強く拳を握った。

これで貯金は今季最多タイの8。残りは14試合。チームでは、この日の試合前練習から「全員で勝つ!」シャツを着用。指揮官が常々「全員が戦力」と表現するように、ナインそれぞれが輝いた一戦。シーズン序盤は出遅れた昨季王者だが、いよいよ真骨頂だ。【真柴健】

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