オリックスのルーキー渡部遼人外野手が、大仕事をやってのけた。1点リードの4回2死満塁で、プロ15打席ヒットがなかった渡部が、カウント2-2からの5球目149キロ直球をライトにはじき返した。

試合の流れをグッと引き寄せる2打点付きのプロ初安打に「ずっと打ちたかったので、やっと肩の荷が下りたと言いますか、1つステップを進められてよかったです!」と興奮を隠しきれず、一塁ベース上で喜びを爆発させた。

まさにチームの合言葉『全員で勝つ!』の象徴だ。再調整のため8日に2軍降格した福田に代わり、センターで起用された新顔の貴重な2点適時打。抜てきした中嶋監督は一塁側ベンチで力強く拳を握ると、記念球の返球を要求した。試合後、指揮官は「彼の野球人生の中で初めて。まず、1本目が大事。大きな1本だと思います」と目尻を下げた。

◆渡部遼人(わたなべ・はると)1999年(平11)9月2日生まれ、東京都出身。桐光学園-慶大。50メートル5秒9の俊足が武器で、大学時代は公式戦33盗塁を決め盗塁死は0。21年ドラフト4位でオリックス入団。契約金4500万円、今季年俸900万円(いずれも推定)。170センチ、67キロ。左投げ左打ち。