DeNA今永昇太投手(29)が、7回1失点の好投で自身6連勝を飾り、3年ぶり3度目の2ケタ勝利を挙げた。4回までは毎回走者を出しながら、粘りの投球。村上を2打数無安打に封じるなど、最少失点に抑えた。打っては逆転の2点適時打を含むマルチ安打をマーク。投打に活躍し、首位ヤクルト戦の連敗を5で止め、ゲーム差を6・5に縮めた。

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今永が、自らのバットで打線に火を付けた。1点を追う4回1死満塁、ヤクルト原の初球の速球を強振。左前にはじき返し、逆転の2点適時打を放った。「セ・リーグなので、打つ姿勢を見せることは普通なこと」。ベンチ前で「デスターシャ」のポーズを決める牧に、少し控えめながら「デスターシャ」で応えた。

エースとしての投球もさることながら、バットでもエース級から安打を重ねる。7安打中、阪神青柳、広島森下、オリックス山岡からマーク。同学年で駒大時代から東都大学リーグでしのぎを削った原とは試合前時点で5打数4安打で、「本当にたまたまです」と謙遜しながら、相性の良さを結果で示した。

マウンドでは、最善の結果だけを追求した。試合前に「自分の100%が通用する相手ではない」と最大警戒した村上の2打席目。1点ビハインドの3回2死三塁で3ボールとし、申告敬遠で歩かせた。

「僕と村上選手の力をてんびんにかけ、他の人が見て納得する打たれ方をしようと考えて。あそこで打たれたら誰も納得しないと思うので厳しいところを攻めて申告敬遠という形に」

ボールとともに、心もコントロールした。11日にヤクルトにマジック11が点灯。就寝前には「負けて1ケタになったら、いよいよ加速するな」と一瞬よぎったが、「自分のパフォーマンスを最大限に生かすことができない考え方なのでしないように」と排除した。

試合の流れをかぎ分けるように、4回までは我慢の投球。5点の援護を受けた直後の5回にギアを上げ、初の3者凡退で流れをたぐり寄せ、7回1失点と快投した。後半戦は自身6連勝で、3年ぶり3度目の2ケタ勝利を達成。崖っぷちに立たされた一戦で、エースが投打でチームを勝利に導いた。【久保賢吾】

▽DeNA牧(6回に5試合連続安打となる適時打)「今永さんを援護できて、うれしいです」

▽DeNA大和(7回にダメ押しの今季1号ソロ)「完璧です! 前の打席まで差し込まれていたので、前で捉えることを意識していました」

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