14年ぶりにENEOSに復帰した元レッドソックス田沢純一投手(36)が公式戦に登板した。1回を無安打無失点1奪三振に抑え、最速は149キロを計測した。田沢は「いい緊張感で投げられました」と汗をぬぐった。

クリーンアップを相手に「直球中心にはなりましたけど、ボール自体は悪くなかったです」と、全17球中14球が140キロ以上。先頭から中飛、遊飛と打ち取ると、3人目の5番松田彪瑠捕手(23=星槎大)に対しては、2-2からの5球目133キロスプリットで空振り三振を奪った。これには思わず日本製鉄鹿島ベンチからも「めっちゃ落ちた」と声が漏れるなど、相手までも投球で魅了した。

11日のオープン戦以来、4日ぶりの実戦登板だった。大久保秀昭監督(53)は「この間のオープン戦から今日に向けて本人も準備してきた。いい緊張感を持ってやれたと思います」と振り返った。

米国、台湾、メキシコと海外で豊富な経験を積んだ右腕。大久保監督は「マイナーのバス移動、メキシコでの環境。常に恵まれた環境でやっていたわけではない。メンタルの部分では、我々が過ごしてきた社会人とは違います」と、技術面以上に精神的なタフさを評価する。今秋開催の日本選手権制覇、来年の都市対抗連覇に向けて、精神的支柱がチームを支えていく。