石垣生まれの南国右腕が勝利を呼んだ。

共栄大が東京国際大を下し、1勝1敗のタイに戻した。先発した砂川羅杏(らいあん)(2年=八重山)が9回1失点の完投勝利。今季初勝利に「後半は自分の投球が出来たと思います」と笑顔をみせた。

序盤は変化球が指にかからず、高めに浮いた。3回までに5安打で先制点を許した。それでも最速143キロ右腕は「自分の良さはコースに投げて打たせること。要所でギアを上げられた」と調子を徐々に取り戻した。

高3夏はコロナ禍の影響で甲子園が中止に。それでも「背番号1」を背負い、八重山を独自大会制覇に導いた。元々高校で野球を辞める予定だったが「本当だったら甲子園に出られていた。燃え尽きたようで、燃え尽きていなかった自分がいました」と、大学でも継続を決意。全国大会出場経験のある共栄大を選んだ。この秋はリーグ、関東大会を制覇し「高校では出られなかった全国大会に出場すること」を目標に日々鍛錬を積んでいる。

故郷石垣島は先日、台風14号が直撃。18日には台湾の地震の影響で津波注意報も発令された。家族とは連絡を取り無事を確認したが、地元への心配があった。その中での勝利に「いい報告が出来ると思います」と真っすぐな目で応えた。