巨人原辰徳監督(64)が試合後、引退試合に臨んだ西武内海哲也投手(40)にねぎらいの言葉を贈った。

 

■指揮官とエース、思い出は数知れない

06年からの第2次政権時代、内海をエースとして起用した。6度のリーグ制覇、2度の日本一の歓喜を共に味わった。「内海の場合はひと言ではなかなか語れないくらいね、やっぱり思い出がありますね」。試合後の記者会見の最後で内海との思い出を聞かれると、戦闘モードを解き、柔和な表情で回想した。

 

■練習の鬼に見た、成長曲線

最初に思い出されるのは、マウンド上の姿ではなかった。「林と2人でね、林という左ピッチャーとね、よー練習しながら。ただ、やっぱり粘っこく練習していた点では、内海のその野球に懸ける思いというのはすごく強い選手だなと。それから着実に伸びてくれてね」。必死に練習に打ち込む姿に、未来への大いなる可能性を確信した。

 

■世界一もともに

原監督が日本代表の監督を務めた09年WBCでは、ともに連覇を達成した。山田久志投手コーチから内海を選出したいという意向を聞いた時は、胸が躍った。「ピッチャーに関してはその当時、山田さんに任せていたんですけど、内海、山口鉄也、両“テツ”がね、メンバーに入れるよと言った時は、僕はうれしかったですね、素直に。そういう中で戦ってくれた」と目尻を下げた。

 

■優しい勝負師

WBCでは第2ラウンドの韓国戦に先発起用。頭部死球を与えたが、次打者まで続投させた。「本人は優しい、勝負師ではあるけど非常に優しい勝負師であると。当然鬼にして戦える強さも持っていたんだけど、あの時は顔色も変わってね、山田さんも心配して『監督代えましょうか』ということを言ってくださったんだけど、『いや代えないでくれ』と」。巨人のエースとしての気概を信じて続投させたのが、忘れられない思いでの1つになっている。

 

■内海よ、君はさんぜんと輝いた巨人の大エースだ

現在のエース菅野智之投手(32)が7回無四球1失点の好投で勝利を引き寄せた日、かつてのエースが最後のマウンドに上がった。原監督にとって、内海哲也とは-。

「いずれにしても、私の中でジャイアンツのエースとして、さんぜんと輝いたエースの一人であったということは言えますね」

最大級の感謝と敬意を贈ると、会見場を笑顔で後にした。

 

▽巨人大城(18年にともにプレーした内海へ)「プロ1年目でバッテリーを組めたことがとても光栄。横浜スタジアムで一緒に完封した(同7月31日DeN戦)のが一番の思い出」

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