中日松葉貴大投手(32)が今季取得した国内FA権を行使する意思を固めたことが2日、分かった。松葉は今年の5月23日、国内FA権を取得。「プロ10年目で取れた。自分をほめたい」と充実感を漂わせていた。

行使後の基本線は、中日残留。19年のシーズン途中にトレードでオリックスから移籍し、その年は1軍登板は1試合に終わった。翌20年は開幕2軍スタートだったが、柳の故障で回ってきた7月15日DeNA戦の先発登板で勝利投手に。同年は3勝を挙げ、その後も本拠地バンテリンドームとの相性の良さもあって21年は6勝。今季も6勝を挙げた。本人は常々、中日でのやりがいを語っており、今の環境で投げ続けることを最優先に考える。

一方で、鍛錬と成績の積み重ねで取得した権利だけに、他球団の話を聞いて選手としての評価を確認したい気持ちがある。

順風満帆な野球人生ではなかった。強豪の東洋大姫路(兵庫)で1年秋からエースとして期待されるも、左肘を骨折。3年春の選抜大会は「2番・右翼」で4強入りに貢献した。大体大では、ライバル校の関西国際大のエース松永昂大(ロッテ)対策の打撃投手からチャンスをつかみ、エース格に。大学通算31勝を積み重ね、4年秋の12年ドラフトではオリックスに1位指名される左腕に成長した。14年には8勝1敗、8割8分9厘の高勝率をマークし、日米野球など侍JAPANに選出された経験も。19年は未勝利に終わったが毎年、地道に勝ち星を重ねて10年目のステータスにたどり着いた。

ケガによる離脱経験のない働き盛りのプロ通算42勝左腕が宣言すれば、今オフのFA戦線をにぎわせる存在になる。

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