ソフトバンクが目の前に見えていたリーグ制覇を逃した。

優勝マジック「1」で迎えたロッテ戦に敗れ、2位だったオリックスが楽天に勝利した。最終成績が76勝65敗2分と両球団が勝率で並んだが、直接対決で勝ち越しているオリックスが2連覇を決めた。

藤本監督 もう誰がどうこうじゃない。最後まで元気だったし、最後まであきらめなかった。まだCSがあるので、CSに向けてみんなで頑張ります

1回先頭の三森が先頭打者本塁打。開始直後に球場が一気に沸いた。1-0の4回先頭では、主砲柳田が左翼に2戦連発の24号ソロ。1発攻勢で主導権を握ったが、盤石だったリリーフ陣が逆転を許した。

20時06分。ソフトバンクとオリックスの立ち位置が逆転した。2-0の6回1死一、二塁で2番手泉が山口に逆転3ランを献上。その時点でオリックスは楽天にリードしていた。

ソフトバンクは7回にも2点を失い、窮地に立たされた。最後は21時26分。9回2死走者なしで三森が中飛に倒れ、2年ぶりのリーグ優勝が途絶えた。

やはり天王山での3連敗が痛かった。9月17日~19日に2位オリックスとの直接対決で3タテを食らった。優勝マジック「9」は3試合で1つも減らせず。オリックスとのゲーム差も「0」に縮まった。3試合のうち1試合でも勝っていれば、マジックは2つも減らせていた。特に19日は、1点リードで9回2死までこぎつけたが、守護神モイネロが吉田正に同点打を献上。そのままサヨナラ負けした。昨季のパ王者に勢いを与えてしまった。今季のターニングポイントとも言える3日間だった。

この日はパ・リーグの全日程が終了する「リーグ最終日」。リーグ最終日に優勝決定は82年セ・リーグの中日以来で、パ・リーグでは63年西鉄以来、59年ぶり。過去5度は、すべて前日首位のチームがそのまま優勝していたが、ソフトバンクは涙をのんだ。一方のオリックスは、史上初のリーグ最終日に逆転優勝。鷹は歴史的なV逸で22年シーズンを終えた。

▼ソフトバンクがシーズン最終戦でオリックスに逆転Vを許した。オリックスとはともに76勝65敗2分けで勝率5割3分9厘で同率フィニッシュ。規定により直接対決で勝ち越しているオリックスが上位となり、ソフトバンクは優勝を逃した。1、2位がゲーム差なしで並ぶことはあったが、同率で並ぶプロ野球史上初めてのケースとなった。

▼オリックスとソフトバンクが76勝65敗2分け、勝率5割3分9厘の同率でシーズンを終了。パ・リーグの順位は勝率で決まり、勝率が同じ場合は(1)当該球団間の対戦勝率(2)リーグ内対戦成績の勝率(3)前年順位の順で決定。オリックスはソフトバンク戦に15勝10敗と勝ち越しているため、オリックスが優勝となった。

▼CSが始まる前は優勝決定法が異なり、同率で1位に2球団が並んだ場合は優勝決定戦(3試合)を行うことになっていた。ただし、2球団が同率1位で終了したことは過去になく、今年のオリックスとソフトバンクが初めて。CS以前ならば両チームで優勝決定戦だったが、「ルール」でオリックスの優勝が決まった。なお、1リーグ時代の36年秋は勝ち点で優勝を決め、勝ち点で並んだ巨人とタイガースが優勝決定戦を行って巨人が優勝した。

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