阪神佐藤輝明内野手(23)が、セ・リーグでは初となる3位からの下克上日本一を誓った。「ここから勝って優勝すれば、本当にドラマだと思う」と歴史的なポストシーズンにするつもりだ。雨のため甲子園の室内練習場でフリー打撃やノックで汗を流し、敵地横浜へと乗り込んだ。

「挑戦者、チャレンジャー。守るものないんで、しっかり積極的にいきたい。ビジターなんで、昨年よりそういう気持ちは強い」。ルーキーだった昨季は2位でCSファーストステージに出場。本拠地甲子園で3位巨人に連敗し敗退した。後半絶不調だった佐藤輝は第1戦は代打、第2戦も8番での出場と不本意だった。「昨年はすぐに終わっちゃったんで。すぐに勝負が決まるなと思った」と超短期決戦の恐ろしさを肌で感じた。

シーズン終盤同様に6番での出場が濃厚だ。「本当に先制することが重要になってくると思うので、どんどん積極的に仕掛けたい」と、投手陣を早めに援護し主導権は渡さない。緊迫する大舞台で同学年の牧との対決も楽しみにしている。「もちろん楽しみですし、(牧が守る)二塁の頭を抜けるような二塁打を打ちたい」。仲がいいからこそ、あえて挑発するように、牧がジャンプしても届かない鋭いライナーで右中間を真っ二つに破ることを宣言した。

シーズン最終戦から中5日、「この試合に向けていい調整ができたかなと。あとは本番やるだけ」と調整にも手応え十分だ。昨季場外弾を放った敵地横浜では、今季も打率3割1分1厘、8打点、セの敵地では最多の4本塁打をマークしている。「しっかり(走者を)かえして、点を取って勝ちたい」。CS導入後、セの3位からの日本シリーズ進出は17年DeNAのみ。下克上日本一は10年ロッテの1度だけ。佐藤輝がこの秋のドラマの主役となる。【石橋隆雄】

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