「2022JERAクライマックスシリーズ セ」が今日8日から開幕する。阪神大山悠輔内野手(27)が7日、背番号3の進化を追う日刊スポーツ独自企画「比べるのは昨日の自分」で、セ・リーグ3位からの下克上を狙う戦いに向け、決意を激白した。ファーストステージ開幕DeNA戦(横浜スタジアム)は「4番右翼」で先発する見込み。再び頂点を目指す道のり、合言葉は「束になって」だ。【取材・構成=佐井陽介】

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下克上を懸けた戦いがいよいよ幕を開ける。矢野阪神4年間の集大成にも注目が集まる決戦開幕の前日、4番はもう腹をくくり終えていた。心は熱く頭は冷静に、指揮官の教えを120%出し切るつもりでいる。

大山 まずは試合に勝つこと。その中で4年間教わってきたことを体現する姿を見せられればと思っています。矢野さんが就任1年目だった19年のシーズン開幕前、部屋に呼んでもらって「4番で行くぞ」と声をかけてもらいました。その時、「たとえ凡打になったとしても堂々としていよう」という話をしてもらったことを今もよく覚えています。打って堂々とするのは簡単だけど、打てなかった時はなかなか難しい。それでも堂々と次に向かう姿を見せていこう、と。特にCSは短期決戦で失敗を引きずっている暇がない。もちろん全打席打てるに越したことはないけど、たとえ凡退してもすぐに切り替えることをより意識していきたい。

ファーストステージの舞台は横浜スタジアム。チームが今季2勝11敗と苦しみ、自身も34打数3安打、0本塁打と沈黙した球場でもある。ややもすれば負のデータにのみ込まれそうなものだが、全く意に介さない姿勢からチャレンジャーの覚悟が見え隠れする。

大山 確かに横浜スタジアムでの成績は良くなかったですけど、シーズンとCSは別物。もうレギュラーシーズンが終わって一区切りはついている。相手バッテリーの攻め方にしても、3連戦の中で戦うシーズンと比べればまた違ってくると思うので。自分自身、シーズン終盤はあまり状態が良くなかったかもしれませんけど、それもCSではあまり関係ないと思っています。自分たちは3位に入ってチャンスをもらえた立場。失うものは何もないけど、良い意味で(冷静と思い切りと)半分半分というイメージですかね。日本一はまだ先の話。当たり前ですけど、ファーストステージを勝たないとファイナルステージにも進めない。まずは目の前の1試合。勝てば次の試合。それだけを考えて戦っていきたい。

レギュラーシーズンは王者ヤクルトに12ゲーム差をつけられ、借金3。それでも最終盤の粘り腰で3位に滑り込み、再び日本一への挑戦権をもぎ取った。一戦必勝を地で行く必要がある超短期決戦。合言葉は「束になって」だと言う。

大山 レギュラーシーズンの終盤、ベンチの中で「束になって戦おう」という言葉が飛び交っていました。原口さんだったり糸原さんだったり、選手同士で「束に!」「束に!」と声を掛け合っていたんです。1人でも違う方向を向いてしまったら、チームは束にはなれない。でも、みんなが束になる気持ちで同じ方向を向いて戦えば、タイガースはもっともっと強くなれるはず。CSでは今まで以上にチーム全体がより1つになって、1試合1試合を勝ち上がっていきたいと思っています。

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