阪神湯浅京己投手(23)が、“守護神”として見事な火消しで勝利に大きく貢献した。

2点リードの8回に、守護神の岩崎優投手(31)を起用。1死から桑原は投ゴロに仕留めたが、一塁へフワッと投げたボールが上にそれるまさかの悪送球で出塁を許した。続く代打オースティンには四球を許し、1死一、二塁。ピンチで佐野を一邪飛に抑え、4番牧を迎えたところで、今季最優秀中継ぎ賞を獲得した本来の「8回の男」湯浅を投入した。

カウント2-2からの5球目、外角フォークで空振り三振に仕留め、窮地を脱した。湯浅は右拳でガッツポーズを決めてベンチへダッシュで帰り、ナインにたたえられた。

シーズン中は2度しか経験のなかった回またぎで、9回のマウンドへ。先頭楠本を内角直球で一飛に仕留め、宮崎は遊ゴロに。ソトには中前打を許したが、代打大田を三ゴロに封じて“プロ初セーブ”をゲット。大事なチームに大きな勝利をもたらした。

湯浅のヒーローインタビューは以下の通り。

-8回2死一、二塁の場面でマウンドへ。出番を告げられた時の心境は

「自分の中では準備できていたので、バッターに向かっていくだけでした」

-直球で押して、最後は変化球で空振り三振

「本当にヒットも打たれたくないと思ってマウンドに上がりましたし、絶対に気持ちでも負けないと思って上がりましたけど、フォークは最終的に浮いちゃいましたけど、結果的に三振でよかったなと思ってます」

-三振でガッツポーズが出ていた

「とりあえず、ホッとしました」

-今季はタイトルも手にしたが、セーブ機会への回またぎは初めて

「特に変な抵抗感はないというか、自分の中では全然いけると思って準備してましたし、しっかりゼロで抑えて勝とうと思ってました」

-自身初のCSの登板

「いつも通りマウンドに上がれましたし、緊張もありましたけど、楽しめたんじゃないかなと思います」

-ファンに向けて熱い決意をお願いします

「明日しっかり勝って、みんなで力を合わせて絶対勝つので、明日も“アツアツ”な応援よろしくお願いします!」

▼湯浅が8回2死から9回まで投げて初セーブ。プレーオフ、CSでイニングをまたいでセーブを挙げたのは、19年ファイナルS<2>戦森(ソフトバンク)以来で、阪神では14年ファイナルS<3>戦呉昇桓、19年1S<3>戦藤川に次いで3人目。また、湯浅は公式戦で1度もセーブなし。通算0セーブの投手がCSでセーブを挙げたのは、16年ファイナルS<5>戦の大谷(日本ハム)以来4人目。

▼レギュラーシーズン3位の阪神が2位DeNAに対して初戦を取った。プレーオフ、CSのファーストSで初戦に勝った31チームのうち26チームがファーストSを突破。初戦を取れば突破確率は84%と数字上は有利な状況だ。

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