打ち上がる花火の音がむなしく響いた。西武が大事な第1戦を落とし崖っぷちに立たされた。2点を追う9回2死一、二塁。1発逆転のチャンスを作ったが、最後は代打オグレディが空振り三振。3位からの下克上には、もう1敗も1分けもできない状況となった。

辻監督は先発ローテの変更や奇策を好まず、シーズン同様の「普段通り」を貫いた。第1戦高橋、第2戦今井の両先発は、1週間前に公言。初戦はシーズンを支えたエース右腕を立て、ソフトバンクに真っ向から立ち向かった。2番源田、3番森、4番山川の打順の並びも不動。ただ、高橋は6回5失点、打線も6安打3得点で跳ね返せなかった。辻監督は、これでCS8連敗。17年の監督就任以降の通算成績は2勝11敗となった。

それでも試合後の指揮官は、扉の裏に隠れてみせるなど、努めて明るく振る舞った。勝負の第2戦に向け「もちろん気負わない。ベンチは明るくやっている。結果は結果。終わったところで勝つか負けるか」と強調。悲壮感を出すことも、無理に選手を鼓舞することもしなかった。「普段通り」の姿だった。

これまでの打ち勝つスタイルから、今季は投手力で接戦をものにするチームに。リーグ連覇した18、19年とも状況は違う。CSでもシーズンの戦い方を貫く。それは変えずに巻き返す。【上田悠太】

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