「2022JERAクライマックスシリーズ セ」のファイナルステージが12日から開幕する。レギュラーシーズン3位からの日本シリーズ進出を狙う阪神は、王者ヤクルトを相手にフレッシュな「下克上ローテ」で挑む。12日の初戦先発には西勇輝投手(31)、13日の2戦目には藤浪晋太郎投手(28)を投入。ファーストステージDeNA3連戦で温存に成功した2人から3戦目のエース青柳晃洋投手(28)につなぎ、一気の形勢逆転をもくろむ。
◇ ◇ ◇
神宮外苑のこぶし球場。シートで目隠しされたブルペンにもかかわらず、投球の主を誰もが予測できた。剛速球とミットの衝突音が響き続ける。7年ぶりのCS先発登板へ、藤浪が満を持して準備を進めていた。
「あまり後先を考えずに投げられる。もちろん長いイニングを投げたいけど、長いイニングというよりは、目の前の1人により集中できればと思っています」
中継ぎ陣に組み込まれたファーストステージ3連戦は出番なし。矢野監督は背番号19のファイナルステージ起用法について「そこはいろいろ考えないとダメなんで」とはぐらかした。とはいえ、この日は先発2日前のルーティンでもあるブルペン投球を敢行。同じくファーストステージは温存された初戦先発の西勇に続き、13日の2戦目に先発する流れはもう確実だ。
CS登板は17年のファーストステージDeNA3戦目に救援登板して以来5年ぶり。先発に限れば、15年の同ステージ巨人初戦以来となる。コメントの節々から気合がほとばしるのも当然なのかもしれない。
「神宮は狭い球場ですし1発もある。つながると止まらない打線。1人1人丁寧に投げていきたい」
練習後は謙虚に言葉を並べたが、3冠王村上、山田らが立ちはだかるヤクルト打線とは相性が良い。今季は先発2戦で防御率2・08。9月18日には甲子園で6回を9奪三振2安打1失点(自責0)と抑えている。
一方、神宮球場ではプロ通算16試合登板で防御率2・54。これはセ・リーグ本拠地別でベストの数字だ。さらにCS通算防御率も4試合登板で2・70と上々。快投を予感させるデータの数々が何より頼もしい。
2週間前の9月28日、今オフにポスティングシステムを使用して大リーグ移籍を目指すことを正式表明した。それ以降では初の1軍マウンド。注目度の高い一戦となるが、今はともに戦い続けてきた仲間との絆を右腕に込めるだけだ。
「自分もブルペンに入って感じていたけど(ファーストステージでは)全体ですごく頑張っていたし、すごく粘ったからこその突破だと思う。流れに乗っていけるように頑張りたい」
待ちに待った大舞台。タテジマの藤浪晋太郎を出し切る。【佐井陽介】



