村神様の王手弾ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージの第2戦で、CS初本塁打となる逆転2ランを放ち、チームを勝利に導いた。

1点を追う3回2死一塁、阪神藤浪から左翼席へ運んだ。史上最年少で3冠王を獲得した主砲が価値ある1発。リーグ優勝のアドバンテージ1勝と合わせ、CSで3勝0敗から敗退した球団はなく、突破率100%で2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。

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降りしきる雨にも、村上は集中力を切らさなかった。3回2死一塁、阪神藤浪に対しフルカウントからの6球目、外角低め直球を捉えた打球が、逆風をものともせず虎党の陣取る左翼席に弾んだ。打球の行方をしっかり確認すると、バットを投げて手をたたき、右人さし指を立てて走りだした。「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて。しっかりと押し込めました」。CS初の本塁打に「(レギュラーシーズンと)特に変わりはないです。ホームランはすごく気持ちいいので、うれしいです」と喜んだ。

打席中に試合が中断しても平常心を保った。1回2死一塁の第1打席、カウント2-1の場面で雨脚が強まり試合が中断。ベンチ裏に座りながら「雨はいつやむか、いつ始まるか分からないので。ベンチ裏ではそんなに集中はせずにリラックスしてました」。心のオンとオフを切り替え、「試合に入って、しっかり集中出来る準備をしようと。グラウンド整備くらいから体を動かし始めました」。38分後に再開されると、見逃しと連続ボールによる四球で出塁。じっくりボールを見極めたことが、2打席目の1発へとつながった。

12日の初戦では2打数無安打ながら、2四球でチャンスメークして勝利に貢献。巨人やヤンキースなどで活躍し、テレビ解説を務めた松井秀喜氏(48)から「今までになかったスケールの選手。僕なんかより全然素晴らしい」などと称賛された。「その言葉はうれしいですけど、まだまだ遠い存在なので。僕ももっともっと努力して、松井秀喜さんのような、人として尊敬されるようになっていきたい」と、喜びつつも気を引き締めた。

ポストシーズンでも存在感は揺るがない。本拠地お立ち台で、雨の中で最後まで残ったファンに向かって、「応援ありがとうございました!! 明日も勝ってみんなで日本シリーズ行きましょう!!」と力強く宣言した。【鈴木正章】

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