これがエースの意地だ。ソフトバンクが引き分け以下で終戦の崖っぷちで、踏みとどまった。

オリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦で、先発の千賀滉大投手(29)が気迫全開、魂の81球で7回途中を無失点。王者オリックスへの流れを断ち切り、対戦成績を1勝3敗とした。一気の3連勝で、大逆転での日本シリーズ進出を目指す。

    ◇    ◇    ◇

千賀は充実感たっぷりに、いたずらっぽく笑った。「後がなかったので。少し緊張してたんですけど、明日の先発投手にこの緊張感を味わってもらおうと思って、絶対に回してやろうと思っていました」。引き分け以下で終戦の崖っぷち。気迫の投球で、チームにファイナルステージ初勝利をもたらせた。

いきなり2点の援護点をもらい、初回からエンジン全開だった。3番中川圭には2球立て続けに160キロをお見舞いだ。藤本監督が「160キロ見て、相手の戦意喪失というのもあるんじゃないかな」と言う、インパクト抜群の剛球連発で球場の空気を変えた。

1回2死から5回まで13者連続アウト。中でも、右腕がギアを上げたのは5回だ。直前の攻撃は1死三塁からスクイズ失敗で無得点に終わっていた。「試合の流れが壊れたら、チームの士気が一気に下がると思った。そこは先発投手として、投げてできることの一番大きなこと。余計にこういう大事な試合では必要だと思いました」。エースとして試合の流れを読み、相手に傾きかけたところを3人で斬って引き締めた。

7回は先頭の中川圭に右前打されたところで緊急降板。藤本監督は「両脚です。6回終わった時点でつっていて。いけるところまでいきますということでしたけど、だいぶ球威が落ちてましたからね」と、足をつっての交代だったことを明かした。それほど魂のこもった81球。「最初から飛ばして。中5日やからね。良かったと思います」とエースの大奮闘に感謝した。

連敗を食い止めて1勝3敗。まだまだ負けられない状況は続くが、ひとまず流れを引き寄せた。最終第6戦までもつれれば、千賀はリリーフでベンチ入りするプランもある。ここからは総力戦。エースがこじあけた奇跡への入り口に、全員で飛び込む。【山本大地】

○…主砲柳田が再び上昇気流に乗ってきた。3回に左前打、6回に中前打。ともに鋭い打球でマルチ安打とした。4戦連発で迎えた第1戦は無安打だったが、2、3戦目で計6打数3安打。「とにかく勝つしかない中で、勝ちにつながって良かったです。明日も勝つ為に頑張るだけです」と、主将らしく引き締めた。

○…守護神モイネロが9回をしのいだ。3点リードで登板。ヒットと味方失策でエラーで1死一、二塁のピンチを招いたが、最後は前日決勝2ランの杉本を二ゴロ併殺打に斬り、試合を締めた。「とにかく勝つことができてよかった。任せてもらった場所で役割を果たしていくことだけだと思う。何とか3連勝できるように力になっていきたい」と引き締めた。

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧>>