ソフトバンクの2年ぶり日本一への夢が15日、途絶えた。オリックスのアドバンテージを含む1勝3敗で迎えたクライマックスシリーズ、ファイナルステージ第4戦でサヨナラ負けし、敗退。藤本博史監督(58)1年目のシーズンが幕を閉じた。

来季への巻き返しへ、阪神西勇輝投手(31)が今季中に取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使した場合に備え、動向を調査していることがわかった。千賀が海外FA権を行使しメジャー挑戦することが濃厚。エース不在となる先発陣の補強へ、実績十分の右腕に照準を定める。

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劇的なサヨナラ負けで、ソフトバンクの2年ぶり日本一への夢が途絶えた。先発した和田は5回途中まで2失点の力投で試合をつくった。2点を追う7回には、デスパイネが今季ポストシーズン初本塁打となる同点2ラン。だが9回に守護神モイネロが崩れ、中川圭にサヨナラ打を浴びて力尽きた。

レギュラーシーズンでは最終戦まで優勝を争いながら、マジック1で迎えた残り2試合に連敗。大逆転でオリックスに優勝を譲った。下克上日本一を誓ったCSでも敗れ、就任1年目のシーズンを終えた藤本監督は「選手はみんな1年間よく頑張ってくれたと思います。負けたことは負けたので。課題として、来年やり返すつもりで。打倒オリックスで頑張ります」と、静かに振り返った。

リーグV、日本一の奪回へ向けて、今季中に海外FA権を取得した阪神西勇の動向に注目している。ソフトバンクは、西勇がオリックスから国内FA権を行使した18年オフにもアタック。当時は阪神移籍となりかなわなかったが、今回権利行使となれば、再度のアプローチをかける可能性が出てきた。

今季のソフトバンクの課題の1つが先発投手陣だ。規定投球回に到達したのは千賀ただ1人だった。さらに千賀は試合後に、海外FA権の行使を明言した。エースがメジャー挑戦で抜けるとなれば、その穴は小さくなく、実績ある先発投手は重要な補強ポイントとなっている。

西勇は今季9勝9敗も、防御率はリーグ2位の2・18をマーク。何より、ここ5年連続を含む9シーズンで規定投球回に到達している抜群の安定感は大きな魅力だ。オリックスで10年プレーし、パ・リーグでの経験も豊富。獲得が実現すれば、巻き返しへの重要なピースになる。

◆西勇輝(にし・ゆうき)1990年(平2)11月10日生まれ、三重県出身。菰野から08年ドラフト3位でオリックス入団。3年目の11年に頭角を現し、10勝をマーク。12年10月8日、シーズン最終戦のソフトバンク戦でノーヒットノーラン達成した。18年オフ阪神へFA移籍。今季も9勝を挙げ防御率2・18はセ・リーグ2位と、安定した力を見せた。181センチ、82キロ。右投げ右打ち。

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