<パ・CSファイナルステージ:オリックス3-2ソフトバンク>◇第4戦◇15日◇京セラドーム大阪

オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2で迎えた9回、2死一、三塁から中川圭太内野手がソフトバンク守護神モイネロから左前打を放ちサヨナラ勝ち。アドバンテージと合わせ4勝1敗とした。

    ◇    ◇    ◇

青色の客席に、中川圭は座っていた。夏場、早出練習でロングティーを打ち終えると、スタンドの階段を「101番」と一緒にテクテク登っていく。

左腕の左沢打撃投手とは18年ドラフト同期入団。通常の練習時間より早く球場入りしてくれる先輩の裏方スタッフに「今日もありがとうございました!」と感謝を忘れない。観客席に飛んだボールを、2人で懸命に探す。ときには「ボール、どこ行きました?」と球場警備員の力も借りる。

試合前練習でフリー打撃を終えると「今日どんな感じでした?」と打撃フォームやタイミングの取り方を、マウンド目線からも確認。日々熱心に向き合う。

この日は満員御礼。「ファンの力をすごく感じました。自分の力以上が出せた」。礼儀が生んだ、サヨナラ劇場だった。【オリックス担当=真柴健】