岡田阪神が高校屈指のスラッガーを指名する方針を固めた。「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が20日、都内で開催される。阪神は高松商・浅野翔吾外野手(3年)、大阪桐蔭・松尾汐恩捕手(3年)の二者択一で会議直前まで熟考する。競合の場合は、岡田彰布監督(64)が「星占いが良かったら…」とクジ引き役も辞さない構え。9球団がドラフト1位指名を公表する異例の展開で、虎の指揮官が金の卵を引き当てる。

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虎の新指揮官が「金の卵」を引き当てる。9球団が1位指名を公表する異例のドラフト会議で、阪神は最終決定を持ち越した。それでも高校屈指のスラッガーを指名するのは確実だ。高松商・浅野、大阪桐蔭・松尾を同等で高評価。浅野は巨人が1位を公表。松尾はDeNAが筆頭候補に挙げている模様。いずれにせよ、競合する可能性がある。出席する岡田監督はくじ引きという大役を辞さない構えを見せた。「明日の星占いがよかったらいこうかなと。当たるような占いなら引いてもいいかなと思いますけど。悪かったら引かないです」と冗談めかしながらも、意欲を見せた。

これまで阪神、オリックスで過去1勝7敗と運がない。「1位は当ててない。外れ1位で1回当たっただけ。ずっと左手ばかりで引いた。右肩が痛かったから。箱に入れるのが痛かった」とすべて左手でクジを引いていた。しかし2度目の監督就任で、右手の使用を“解禁”する。「だいぶ回復したんでね。占い、よかったら右手で引こうかなと思いますけど」と明かした。

右の打てる野手が最大の補強ポイントだ。この夏、甲子園で3本塁打を放った浅野は、通算68本を誇る外野手。甲子園のスターが加入すれば、打線強化に夢が膨らむ。内野もできるセンス抜群の松尾は打てる捕手として、梅野、坂本の後釜としても期待できる。京都出身で大阪桐蔭では、甲子園で高校通算5本塁打を記録している。

9球団が1位を公表し、重複しない異例のドラフト戦線。岡田監督は「そりゃ、やりにくいですよ。こんなに先に公表するのは初めて。どういう意図があるのかちょっとわからない」と、戸惑いを隠せない。それでも畑山統括スカウトは「影響しないことはないが、関係なくうちが評価している、1位でいきたい選手は指名したい」と競合覚悟で、ギリギリまでベストの選択をする。近い将来、猛虎の主軸を担う高卒野手を、岡田監督の右手が引く。

〇…阪神は外れ1位候補として中大・森下翔太外野手(4年=東海大相模)をリストアップしている。逆方向にも長打が打てる右の外野手。岡田監督は「本当に即戦力という右打ちでね。そのへんの見極めになるんちゃいますかね。社会人、大学生で右の即戦力もいるみたいなんで」と、補強ポイントを埋めるために幅広い選択肢から選んでいく。