守護神、決めた!? 宮崎でフェニックスリーグを視察中の日本ハム新庄剛志監督(50)が25日、阪神からトレードで獲得した斎藤友貴哉投手(27)と江越大賀外野手(29)の新戦力2人に、チーム合流初日から熱血指導を行った。ブルペン入りした斎藤の投球を一目見て「抑え、行けますね」と、守護神候補に推薦。2人の新しい“未完の大器”を覚醒すべく、それぞれに宿題を与えた。

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2人の新戦力に、日本ハム新庄監督の期待は最高潮に達した。この日、阪神から交換トレードで獲得した斎藤と江越の2人が、宮崎でフェニックスリーグに参加中のチームに合流。入団会見の前に、ブルペンで斎藤の投球を見守った新庄監督は「斎藤君のボール見ました? いいねえ」と感嘆し、「抑え、行けますね。可能性がものすごくある選手だと思う」と新しい背番号48を、守護神候補に推薦した。

伸びのある直球に、スライダー、フォーク、カーブと全球種を披露した斎藤に近づくと「力んでプラスになることは1つもないから、踊るように投げてほしい。楽しんで。笑って投げろ」。マウンドに上がると、緊張や力みから「真っすぐでストライクが入らず自滅していく」(斎藤)というメンタルを克服するため、新庄流の“特効薬”を伝授した。少々の制球難にも「『アウトコースに真っすぐ行きます』って言って、インローにビシッと来た。『逆の考えでいいんじゃね』と。勝手に(いいコースへ球が)行くから」と新庄監督。持ち前の超プラス思考で「ノミの心臓」と自虐する斎藤のハートを押した。

専任コーチには、阪神時代から斎藤を見てきた山田バッテリーコーチを指名した。26日にフェニックスリーグのソフトバンク戦で移籍後初実戦を迎え、来月5日の侍ジャパン強化試合(東京ドーム)で登板予定。移籍直前、同リーグで非公式ながら161キロを計測した右腕は「ジャパンの試合で投げられることを幸せに感じて、ノミの心臓を、そこで1回診てもらいたい」。最高の“処方箋”を得て、新天地で才能を開花させる。【中島宙恵】

◆日本ハムの今季抑え投手 1年を通して固定されずテストも含めて計8人がセーブを記録した。開幕投手も務めた1年目の北山が最多9、右肘手術を経て3年ぶりの1軍復帰となった石川直が6、昨季最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した堀が5と続いた。北浦、伊藤、河野、井口、宮西が各1だった。

○…「日本ハムの江越」が26日のフェニックスリーグ、ソフトバンク戦で実戦デビューする。チーム合流初日の25日、「三振しない打ち方を教えようと思う」という新庄監督の直接指導を受け、約1時間の特打を行った。飛ばす力はありながら、阪神時代の通算打率は1割8分9厘。「本塁打を打ったら罰金」という新庄監督の指示の下、バットを短く持ち、ミートに徹した。新庄流の“処方箋”を受け取った江越は、「強く振っていないので物足りなさはあるけど、(ヒットを打つ)確率を上げるための取り組みなので」と納得顔だ。新天地での背番号は37に決まった。「いろんな人から『ボスと身体能力は変わらないですよ』と言われた」と、新庄監督の期待値は高い。狙うポジションは「1番センター」と言い切った江越は「早くこのチームに打ち解けられるようにやっていきたい」と心機一転、意気込んだ。

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