育成の日本ハム阿部和広外野手(19)が、5日の侍ジャパンとの強化試合(東京ドーム)で“1軍デビュー”する可能性が浮上した。2日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で1軍の全体練習に初参加。新庄剛志監督(50)の強い希望で、注目の一戦に臨むメンバーに大抜てきされたもよう。俊足が武器の高卒1年目は大舞台で出番が来れば、支配下昇格を猛アピールすることを誓った。

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身長170センチとプロ野球選手としては小柄な阿部が、プロ入り後初めて“昇格”を果たした。鎌ケ谷で午後から行われた1軍の全体練習に参加。新庄監督を始め、新任の森本外野守備走塁コーチらがそろう中、主力メンバーらと一緒に汗を流した。最初は緊張気味だったが、最後には「いい緊張感で野球できているなって思います」と、背番号124の19歳は初体験の空気感を存分に味わった。

注目の一戦に大抜てきされる可能性が高まった。5日の侍ジャパンとの強化試合に臨むメンバーに選ばれたもようだ。林ヘッドコーチは「ボスが見たい、ということで」と説明。侍ジャパンを相手に超異例の“1軍デビュー”という、新庄監督らしいチャンスが与えられそうだ。

全国に生中継される一戦で出場できれば、アピールしたいのは俊足だ。「代走でも何でもいいんで、塁に出て『おっ』て思わせたい」。今季は上田前2軍外野守備走塁コーチから盗塁の技術を一から学んだ。平塚学園時代は意識していなかった盗塁の奥深さを知りながら、徐々にレベルアップ。2軍で4盗塁を記録し「結構、自分の型にはまってきている」と、成長も実感している。

ルーキーイヤーは新人合同自主トレで左太もも裏を痛めて出遅れたが、地道に2軍で実戦経験を積んで、最後に千載一遇のチャンスが訪れた。「(出場したら)ヒットを打って1盗塁くらいはしたい。(来年は)開幕1軍にいたいです」。グラウンドをインパクト十分に駆け回って、支配下昇格につながるインパクトを残す。【木下大輔】

◆阿部和広(あべ・かずひろ)2003年(平15)5月12日生まれ、神奈川県出身。平塚学園では甲子園出場なし。22年育成ドラフト4位で日本ハム入団。今季ファームで26試合出場、打率2割6厘。背番号124。170センチ、65キロ。右投げ両打ち。

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