日本ハムからドラフト3位で指名された前メッツ3Aシラキュースの加藤豪将内野手(28)が4日、契約金と年俸合わせて1億円で球団と契約を締結し、都内のホテルで入団会見に臨んだ。背番号は3に決定。“異国の野球”に挑むことを決意したメジャー逆輸入の大型即戦力内野手は、早期来日を熱望して電撃契約。会見直後にはチームに合流し、東京ドームで行われた全体練習に参加するなど、来季開幕を見据えて早くも動きだした。(金額は推定)。

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会見の冒頭のあいさつは、率直な思いがあふれた。 加藤豪 初めまして。北海道日本ハムファイターズの加藤豪将です。今、そのような言葉を言っているのが本当に夢のようで、信じられないです。名字は加藤なんですけど、完全にアメリカ生まれアメリカ育ちの、JRにも乗ったことのない“ガイジン”です。今(時差ぼけで)眠い中、日本語を頑張ってしゃべっていきたいと思います。よろしくお願いします。

日本語より英語が得意な米国からやってきた日本人ルーキーは、覚悟を持って異例の早期来日&契約を実現させていた。10月25日(日本時間26日)に自由契約となった直後に日本でプレーすることを決め、すぐに来日を熱望。「この3カ月間で20年間分の“野球”を学ばないと、もう(来季開幕の)3月には間に合わない」と逆算して、この日の晴れ舞台に立っていた。

なぜなら、メジャーリーグとプロ野球は「全然違うスポーツだと思っている」からだ。「ボールも違う。ストライクゾーンも違う。ベースのサイズも違う。ベースのサイズが違うから、塁間も違う」。早くフィットするには、1分1秒が惜しい。会見直後にはユニホーム姿でチームに合流。5日の侍ジャパン戦へ向けた東京ドームでの全体練習に参加し、ブルペンでは北山の投球で目を慣らし、走塁練習やフリー打撃も行って日本の野球を体感した。戸惑いもあっただろうが、熱心に最後まで取り組んだ。

加藤豪 素直に一から、またスタートするという考えなので、いろんなことを勉強するのが楽しみです。

7日から始まる秋季キャンプにも志願参加する。すでに球団もNPBへ加藤豪の練習参加を申請済み。アピールポイントは「マイナーで鍛えられたこと。根性だったりメンタル、考える力。自分はもう全部経験しているので。もう怖いものはない」。新庄監督も「ハングリー精神のかたまり」と評したように、ガッツあふれるメジャー逆輸入の“新人”は日本で謙虚に一からのスタートを切る。【木下大輔】

○…新庄監督が侍ジャパン戦で加藤豪を日本デビューさせるプランをぶちあげた。入団会見後に早速、全体練習に参加した姿を見て「代打くらいだったら、いいのかな?」と思案顔。公式戦ではないため、出場が可能かどうか、関係者に「ちょっと聞いてみます」。少しでも早く日本の野球に慣れたい加藤豪のために、指揮官も早速、いろんな可能性を探っていた。

○…新庄監督も驚いた。東京ドームで全体練習が行われた午後7時半過ぎに、報道陣からBIGBOSSときつねダンスが流行語大賞の候補に入ったことを伝えられると、「あれ? そうなの!」と、びっくりしながら笑顔。ただ、寝耳に水だったようで、少し間を置いて「それ、大丈夫かなぁ」と、苦笑いしていた。

○…エース上沢が栗山監督率いる侍ジャパン相手に先発する。「リーグを代表する選手が集まっている。対戦したことがない選手ばかりではない。知っている選手ばかり。しっかり投げさせてもらいます」。1カ月以上ぶりの実戦マウンドとなるが、全力を尽くす。