ソフトバンク東浜巨投手(32)が25日、福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、来季からの3年契約を結んだ。本人は明言を避けたが、年俸は7000万円増の1億5000万円とみられる。順調なら来季中に国内フリーエージェント(FA)権を取得する右腕に、球団は千賀が不在となる投手陣の柱として期待。大型契約で「生涯タカ」を決めた。ソフトバンクはこの日で、支配下の日本人選手全52人の契約更改を終了した。(金額は推定)

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来季からの契約にサインした東浜は、晴れやかな表情で会見場に姿を現した。詳細な金額の明言は避けたが、来季11年目で初めて大台1億円を突破。「時間がかかったなという思いもありますし、より一層結果を残して、チームのために頑張らないといけないなという気持ち。実際の金額を見た時に気が引き締まりました」と話した。

今季は10勝6敗で17年以来5年ぶりの2ケタ勝利を記録。5月には自身初のノーヒットノーランも達成した。球団は千賀がメジャー移籍で不在となった投手陣の柱として、順調なら来季中に国内FA権を取得する右腕を全力で引き留めた。交渉にあたった三笠取締役GMは「千賀くんが抜けた投手陣のリーダーとして引っ張ってもらいたい」と期待をかけ、3年契約を提示した。

東浜は「素直にびっくりしました。32歳で3年という数字は本当に誠意を感じました。感謝しかないです」と笑顔。一方で強い責任感も口を突いた。「この3年間で結果を残せなければ、極端に言えば終わり。そういう危機感は、お話をいただいた時に思いました。この3年間で結果を出せなければクビだなと。ここからは僕にとっても勝負の3年間になる。うれしいという感情より、危機感が大きかったです」。穏やかな表情のまま気を引き締めた。

来季33歳の東浜が3年契約を満了すれば35歳だ。「まだまだ野球がやりたいですし、やっぱり和田さんを見ていても、ああいう年まで一途に野球のことにストイックにできるというのはすごい。目の前に目指すべき先輩がいるので、そこに行くためにもこの3年間は人生の分岐点になる」。生涯ソフトバンクでの野球人生を思い描き、背筋を伸ばした。【山本大地】

○…笠谷がポジティブ思考で先発ローテ入りを目指す。プエルトリコのウインターリーグに参加。「いろんなことを気にしすぎていたが、もっと野球を楽しめるように変えたい」。今年7月に地元大分出身の一般女性と結婚したことも明かし「家族も増えた。来年はもう1度、先発としてローテを取れるように頑張りたい」と力を込めた。契約交渉では100万円減の年俸2100万円で更改した。

▽ソフトバンク田上(高卒2年目の今季は4月に支配下登録され、1軍2試合先発。50万円増の年俸650万円でサイン)「来年はプロ初勝利を目標にして、先発ローテに入りたい。体を大きくして、最後まで戦える体力づくりをしたい」

▽ソフトバンク・リチャード(160万円減の来季年俸1000万円で契約更改)「良かったり悪かったり、波が大きなシーズンだった。トータルで見ると、今年はいい経験をさせてもらえた」

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