23年は「厳しさ」を前面に押し出し、3年ぶりリーグ優勝と日本一を奪回する。ソフトバンク藤本博史監督(59)が新春インタビューに応じ、リーグ優勝を逃した昨年を「甘さがあった」と振り返った。うさぎ年の今年が年男の指揮官は、就任2年目は心を鬼にし、全力で勝利をつかみにいく。

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-藤本監督の23年のテーマは

藤本監督 やっぱり『厳しく、楽しく』やね。厳しいところは厳しく、楽しいところは楽しく、というか明るくやね。

-厳しさを求める理由

藤本監督 昨年は悔しさを選手全員が味わった。その場の悔しさだけじゃなく、やり返す気持ちがもっともっと必要かなと思う。1年間戦っていたら、タラレバになるけどあの1勝が、あの1敗がというのが出てくる。目の前の1勝を取っていかないと。それが積み重なって最終的には悔しい思いになったわけですからね。そのへんを厳しくやっていこうかなと思います。

-昨年の最終戦逆転V逸は人生で一番の悔しさ

藤本監督 野球人生の中でああいうことを経験できることは少ない。一生に1回かもわからない。あの悔しさは人生の中で残っているわけで、そこをやり返すという気持ちだけですね。

-監督1年目の後悔は

藤本監督 自分の中では甘いところが絶対にあったと思いますよね。2軍、3軍からずっとやってきて、やっぱりファームとの違いというのがね。2軍、3軍やったら我慢して、我慢してというのも当然ありましたし、悪かったらポンと代えるやり方もあった。ただ、1軍の場合は次の試合のことも考えて戦わないといけない。そのへんでちょっと選手寄りになっていたのかなというところは感じました。そのへんを反省して、厳しくね。

-キャンプからどのように厳しさを表していくか

藤本監督 厳しさというのは1年間を通しての厳しさやからね。その日、その日の厳しさじゃなくて。今の選手はどちらかというと、ゆとり、Zという世代になってきている。昔はやれと言われたらやらなくちゃいけなかった。そういう時代じゃ今はないですよね。そこをもう少し選手と話し合って、我慢するところは我慢して。1試合1試合が大事な試合。捨てゲームなんかないわけですから。

-若い選手は良いコンディションが続かない

藤本監督 もったいないですよね。若い選手ほど、主力と同じことをやっていたらダメだということですよね。若手はそれを超えなくちゃいけない。頑張るときは頑張らないと。レギュラー目指してるわけですから。野球人生は20年も30年もできない。よくやって20年でしょ、いい選手で。その中で我慢するところはしないと。一流選手になれないんじゃないかという感覚はこの1年感じましたね。

-今年はうさぎ年

藤本監督 当たり年です。当たり年じゃないね、なんやっけ。年男です。あんまり気にしてないですけど。ぴょんぴょん跳ねたいですね。

-オリックスの強さは

藤本監督 投手陣がいいですよね。強さはうちも負けていないけど、コントロールですよね。四球が100個近く多い。斉藤和巳コーチも言ってたけど、四球は0にならない。むだな四球をなくしていくということです。オリックスとの100個の差を50個くらいにできれば、十分、勝機はあるんじゃないかな。野手陣は負けてませんから。

-レギュラーは白紙

藤本監督 横一線なのは1軍に近い選手ばかり。1軍に上がっていない若い選手も横一線というわけではないですから。昨年頑張った選手の中で、レギュラーは横一線ということであって。そのへんは柳町にしても野村勇、三森、正木にしても、いい色を出してくれたのでね。そういうところは見ながら。実績のある選手も、実績を見ながら。レギュラーは決めていないということです。

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