阪神青柳晃洋投手(29)と伊藤将司投手(26)が、4日のオリックス戦で開幕投手バトルの火花を散らす。

今年初めての甲子園でのゲーム。鳴り物や声援が開放された聖地で右と左のエース格が再び当日登板し、雌雄を決する戦いに臨む。

両投手は今年すでに2度、同日にシート打撃や実戦登板を重ねてきた。岡田監督はまだ3月31日DeNA戦(京セラドーム大阪)の開幕投手を明言しておらず、昨季13勝の青柳と9勝の伊藤将を競わせているように映る。指揮官は「ええ投手からいかんと」とも説明。最有力は青柳だろうが、両者の状態次第で伊藤将の可能性も残し、同じ相手に登板させることで見極めようとしているようだ。

青柳も気合十分だ。実戦初登板となった2月23日の中日戦(北谷)は、配球や球種を試すことをテーマに2回4安打1失点。前回は結果にこだわらなかったが、3月からより本気モードにスイッチを切り替える。「僕も開幕投手が決まったわけではない。そこを取るためにも、ある程度は結果を出していかないといけない」と引き締めた。

ここへきて開幕候補に浮上してきた伊藤将もエンジン全開だ。新人年の2桁勝利など入団2年で19勝を挙げる実力派左腕は「先発である以上、目指しているところ」と開幕投手への意識は高い。青柳と同様、初実戦となった2月23日の同戦では2回無失点と抜群の安定感を披露。青柳について「タイトルを3つも取っている投手が近くにいるので、参考にしながら負けずに頑張れたら」と切磋琢磨(せっさたくま)を強調しつつ、「結果を求めて投げていきたい」とアピールに燃えている。

この日の甲子園全体練習では、ともに同じ調整で登板準備を整えた。開幕投手は青柳か伊藤将か。ハイレベルな戦いが本格化する。【三宅ひとみ】

◆青柳と伊藤将のDeNA戦 ともに好相性を誇っている。青柳は通算24試合に登板し14勝5敗、防御率2・83。伊藤将は11試合で5勝3敗、防御率1・85。昨季に限っては青柳が6試合で3勝1敗、防御率3・18。伊藤将は5試合で2勝2敗ながら、防御率1・58だ。今季の開幕戦の舞台となる京セラドーム大阪での通算成績は、青柳3試合2勝1敗、防御率2・55に対し、伊藤将は2戦2敗の防御率8・10。球場との相性を、岡田監督ら首脳陣がどう判断するかも興味深い。