ソフトバンクの新守護神、ロベルト・オスナ投手(28)が、移籍後初の実戦登板で1回パーフェクト投球を披露した。広島戦に4回から2番手で登板し、無安打1奪三振で3者凡退。最速は153キロで、元メジャーのセーブ王が貫禄を示した。守護神を固定できなかった直近2年はリーグ優勝を逃したが、V奪還の使者が名刺代わりの快投を見せた。

鷹党の歓声に包まれ、新守護神のオスナがペイペイドームのマウンドに上がった。親族の名前が記されたピンクのグラブをはめ、ロッテから移籍後初登板。1回3人斬りで仕事を終え、天に向かって人さし指を突き上げた。

「ポイントはバッターに投げられたこと、ホークスファンの前で投げられたこと。(球団)関係者も、投げているところを見たいというのがあったと思う。大事ないい機会だったね」

名刺代わりの快投で、元メジャーセーブ王の実力を見せつけた。

4回から登板。広島の先頭デビッドソンを、この日最速だった153キロで空振り三振。続く坂倉、菊池をともに中飛に仕留めた。だが、藤本監督は「オスナはまだ全開じゃない。力いっぱい投げてる雰囲気でもなかった。まだまだスピードは上がってくる」と即答。フルパワーでなくても不安のない投球に「貫禄ありますよね」とうなずいた。

リーグ優勝を逃した直近2年は、開幕から守護神を固定できなかった。4位に終わった21年は、9回を任された森、モイネロ、岩崎(現中日)が離脱。優勝したオリックスと76勝65敗2分けで並び、直接対決の成績で2位となった22年は、森の2軍調整などで「勝利の方程式」を変えざるを得なかった。

補強ポイントにも合致し、推定年俸6億5000万円で新加入した剛腕だ。守護神については「責任や、やっていかないといけないという気持ちがあるよ」と頼もしい。さらには「登板に期待してもらいたい。優勝のために向かっていく」と腕を組んだ。今年のホークスは、V奪回の使者が最終回に堂々と構えている。【只松憲】

◆ロベルト・オスナ 1995年2月7日生まれ、メキシコのフアン・ホセ・リオス出身。11年にブルージェイズと契約。メジャー通算314試合、14勝18敗155セーブ、防御率2・74。19年の38セーブはア・リーグ最多。昨季6月にロッテ入団。29試合で4勝1敗10セーブ、防御率0・91の好成績を残した。今季からソフトバンクで推定年俸は6億5000万円。188センチ、104キロ。右投げ右打ち。

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