虎の新助っ人が今季初のG倒に早くも貢献! 阪神シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)がオープン戦初安打を含む2安打で調子を上げてきた。巨人とのオープン戦(甲子園)に「3番左翼」でスタメン出場。4回の第2打席で左越え二塁打、6回にも中前に運んだ。左腰の張りで調整が遅れていたが、走塁への意識の高さを見せるなど体調面の不安を感じさせなかった。3番の大本命だった助っ人がここからギアを上げる。

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ノイジーが来日初の「伝統の一戦」で牙をむいた。4回先頭の第2打席。カウント1-0から巨人先発赤星のスライダーを捉え、フェンス直撃の左越え二塁打を放った。オープン戦初安打を記録。6回にも堀岡の内角球に詰まりながらも、力で中前に運び、マルチ安打。本拠地デビューとなった前日11日の日本ハム戦は2打席凡退。「昨日より打席の内容もはるかに良かった」と手応えを見せた。

走塁でも好判断が光った。二塁打で出塁した4回無死二塁。続く4番佐藤輝の左飛に「タッチアップできる深さだった」と全力疾走で三塁に進んだ。その後、板山の打席で生還し、先制点に絡んだ。岡田監督も「キャンプのベーランで一生懸命走っていたから、問題ないと思っていた」と姿勢を評価した。

春季キャンプ中盤の16日に左腰の張りを訴え、調整はスローダウン。2月12日の紅白戦を最後に実戦から遠ざかっていた。バットに走塁に元気な姿を見せ、不安を一掃。「左腰の張りも問題ありません。全部順調に進んでいる。少し離脱してしまったので、しっかり試合に慣れていくことが一番重要」。14日からの関東遠征(DeNA、ヤクルト戦)では同一リーグの投手と対戦し、日本野球に適応する。

離脱中には左翼を争う井上が猛アピール。ドラフト1位森下も好調で3番起用プランが浮上。大山、佐藤輝のドラ1クリーンアップ構想が膨らんでいた。

この日テレビ生中継のインタビューでノイジーの起用を聞かれた岡田監督は「今日も3番に入れているんですけど、がんばってもらえたら、6番は若いので競争してもらいたいですね」と答えていた。いずれにせよ、新助っ人が打てば、打線は確実に厚みを増す。「毎日いい打席内容を増やしてシーズンに向けて準備していきたい」。背番号7が宿敵との一戦を踏み台に遅れを取り戻す。【三宅ひとみ】

○…大山悠輔内野手は4打数無安打に終わり、不振脱却とはならなかった。巨人戦に「1番DH」で出場。初回は中飛に倒れ、3回1死一、二塁で空振り三振。5回2死からは遊ゴロ、6回2死一、二塁の打席も中飛に沈んだ。1番での起用について岡田監督は「1打席でもねえ、(多く)立つしかないやろ。次からは1番にせえへんけど」と説明。オープン戦の打率は0割7分1厘と深刻な状況。指揮官は「もう打席の中で自分がタイミングを合わすしかないやんか」と指摘した。

○…ドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が、好守備を見せた。6回無死一塁で巨人吉川の右前へ飛んだ打球を果敢にスライディングキャッチ。「打撃練習中に何回か練習もしていたので、成果がでた」と納得顔だ。打席では2打数無安打2四球。試合前には東海大相模の大先輩・原監督に初めてあいさつ。「『体が大きいな』と言われて、『ありがとうございます』と。大先輩なので、ちょっとは(表情が)硬くなりますね」と初々しかった。○…板山外野手が1安打3打点の活躍を見せた。1点を追う6回無死満塁で巨人堀岡から逆転の2点タイムリーを放った。岡田監督は「そんなに打ってないのになあ。なんかええ時に打ってるから、ものすごい打ってるように感じるよな。ずるいやっちゃ、あいつなあ」と笑った。板山は「一番注目される試合で結果が出たことはよかった。自分の立場はもっともっとアピールが必要」と気を引き締めた。

○…ドラフト6位富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎)が見事な火消しぶりを見せた。6回にB・ケラーが2点を勝ち越され、なお2死満塁で救援。巨人の代打坂本を投ゴロに仕留めてピンチを脱した。名選手を相手にしても動じず「自分も腕を振って抑えられて、自信になったのでよかったです」と振り返った。その裏に味方が4点を奪って逆転したため、富田にオープン戦2勝目が転がり込んだ。

○…遊撃の定位置を狙う木浪聖也内野手が、バットで勝利に貢献した。逆転した直後の6回1死一、二塁。巨人3番手の左腕大江から右前へ適時打を放った。「チャンスで左の変則的な投手を打てたのはよかったなと思います」。この日は3打数1安打1打点。バットを寝かせる打法で結果を出している。「今までは(バットを)体から離して打って力みにつながっていた。今はバットを寝かせて出すだけというイメージ。シンプルに振れていると思います」と納得の表情だった。

○…新助っ人ジェレミー・ビーズリー投手(27=パイレーツ3A)が本格投球再開のメドを明かした。右膝の張りから別メニュー調整中。「16日ぐらいに立ち投げとかできていって、感覚を見ながら何回か(ブルペンに)入れたら。トレーナーさんと確認しながら。肩自体の調子はいいのでコントロールしながらやりたい」と語った。

○…巨人戦の試合前に、今季新たに入団したドラフト1位森下ら新人、ノイジーら新外国人、渡辺諒ら移籍加入組の14選手が紹介された。鳴尾浜での教育リーグ・オリックス戦に出場していた高浜以外の13選手が、1人ずつ名前を呼ばれてマウンド付近に並びあいさつ。スタンドからは大きな拍手で歓迎された。

▽阪神原口(8回に代打で中前打)「1打席なので初球からどんどん振って。ヒットになったのはよかったと思います」

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