今季初の東京ドーム開催となった巨人に暗雲が垂れ込めた。

開幕投手筆頭候補の菅野智之投手(33)がオープン戦日本ハム戦で先発するも、初回だけで緊急降板した。1回2安打1失点(自責0)の21球で交代。試合後に原監督は「右肘の張り」と理由を明かし、阿波野投手チーフコーチはプラン再考を口にした。チームは5-4で逃げ切り、オープン戦首位をキープしたものの、開幕まで2週間を切り不安材料が噴出した。

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東京ドームのスタンドが予期せぬ交代劇にどよめいた。「菅野に代わりまして船迫」。1回だけで菅野が退くアナウンスに声出し、鳴り物応援が解禁された観客席から驚きの声が漏れた。試合後、原監督は「ちょっと肘が張った。私の中でも頭が痛いところだよね。信頼しながら放任していたワケだから。しっかり調整してくれているものってこっちは思っているしね」と勝利直後に頭を悩ませた。

21球の投球内容に前兆があった。先頭五十幡に内野安打を許すと、二盗、三盗と仕掛けられた。捕手小林の悪送球により、先制点を献上。3番松本剛には右中間への二塁打を許した。後続は断ち切ったものの、直球は144キロの1球のみとみられ、変化球中心の配球となった。戻ったベンチで、配球について問いただそうとした阿波野投手チーフコーチに、変調を訴え交代。予定していた6回80球のプランは大きく崩れ、緊急降板となった。

春季キャンプ中から不運に見舞われた。2月19日に首を寝違えてブルペン入りを見送った。痛みこそとれたものの「いろんなことが狂ってしまった感覚がある。そこで逆戻りしてしまった」と吐露していた。

それでも11日のオリックス戦は、4回1安打無失点にまとめ、6年連続9度目となる開幕投手の筆頭候補となっていた中でのアクシデント。開幕について、原監督は「そこはまだ幸い日にちがあるっていうところで、本人がどう考えて、しっかりとしたモチベーションを持ち続けているかっていうところでしょうね」と今後の状態を見極める。【栗田成芳】

▽阿波野投手チーフコーチ(降板した菅野についてプラン再考)「考えていた部分でも、思い通りにはいかないかもしれない。そこは状態を聞いてから、あらためてプランニングするという感じです」

▽丸(1回にオープン戦2号となる決勝の逆転2ラン)「いいポイントで打てた。初球からコンタクトできた。(東京ドームの声出し応援は)やりがいがある。野球選手をやっていてよかったという気持ちになった」

▽ブリンソン(2安打で中堅守備でも好捕)「東京ドームをずっと楽しみにしていた。バットを短く持ったのは、日本の投手の落ちる球、いろんな球種に対応するための対策」

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