背番号6がきらびやかに躍動した。巨人坂本勇人内野手(34)に快音が戻った。2点を追う4回2死一、三塁、広島遠藤のチェンジアップにバットを目いっぱい伸ばした。左翼ポールをぎりぎり巻く2号逆転3ランに「全然打てていないので、みんなつないでくれたチャンスで何とかヒットを打ちたいなという気持ちで入った。最高の結果になってくれました」と興奮気味にダイヤモンドを周回した。

復調が覚醒へのスイッチになった。2点リードの8回1死では、戸根の144キロ低めの直球を左中間席へ放り込んだ。大盛り上がりの味方ベンチを横目に涼しい顔で生還。「本当に継続しないと意味がない。継続できるようにという気持ちが強い」と、自らに言い聞かせるように言った。東京ドームで1試合2発は、21年9月15日DeNA戦以来590日ぶりの“固め打ち”となり、アゲアゲモード突入を予感させた。

現役名球会打者にとっては未知の大スランプだった。プロ17年目の開幕は大苦戦を強いられた。オープン戦から打撃の低調が続き、開幕後も22打席連続無安打と足踏みが続いた。打率1割を下回っていた8日広島戦で起死回生の1号ソロが今季初安打だった。「スタートからつまずいてしまいましたけど、何とか早く返したい」と挽回の機会は十二分にある。

2本塁打を含む3安打で、歴代単独5位となる179度目の猛打賞と存在感は際立った。「正直過去は過去だと思って、これから何本打てるか分からないですけど、日々新たにやっていきたいなと思います」。GWは巨人の“反撃ウイーク”にする。【為田聡史】

▼巨人坂本が4回に今季初の殊勲安打となる逆転本塁打。坂本の逆転本塁打は20年6月25日広島戦以来となった。今季初の1試合3安打以上をマークし、猛打賞の通算回数では(1)張本勲251(2)川上哲治194(3)長嶋茂雄186(4)野村克也180(5)坂本勇人179(6)福本豊178、松井稼頭央178。福本、松井を抜いて単独5位に浮上した。

◆巨人原監督(2本塁打の坂本について)「2本目の速いボールを打てたのは良かった。まあ、でもしかし、これぐらいは打つよ!」

■秋広レーザービーム

メガゴジラがレーザービームでホームを守った。6回2死二塁の守備。左翼に就く身長2メートルの秋広が、広島上本の左前への打球を捕るとすぐさま本塁送球。低く鋭い軌道で、二走・マクブルームを本塁でアウトにした。「ファームで送球練習を何度もやってきたその成果が出た」と、元投手らしく強肩を発動。4回には左前打で東京ドーム初安打を記録し、攻守で躍動した。

■2番手横川が2勝目

左腕横川が中4日で2勝目を手にした。先発高橋に代わって2番手で4回から登板。4、5回を3者凡退に抑え、6回2死二塁のピンチでは、左翼秋広の好送球に救われた。3回2安打無失点で、23日ヤクルト戦でプロ5年目にして初勝利を挙げてからわずか5日で2勝目を挙げた。「チームに貢献したい一心で投げました」と腕を振った。

◆巨人高橋(昨年7月以来の先発も3回5安打2失点で降板)「先発の役割を果たせず悔しいです」

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