阪神村上頌樹投手(24)が、ついに今季初失点を喫した。両チーム無得点で迎えた7回表、先頭の6番サンタナに左中間席までソロを運ばれた。今季5試合目の登板。開幕からの連続無失点はセ・リーグ最多タイの31イニングで止まった。

1回は難なく3者凡退スタート。2回は先頭の4番村上に左翼線にポトリと落ちる不運な安打を許すと、5番サンタナにも左前打を浴びて無死一、二塁。ここから6番オスナを空振り三振、7番長岡を捕邪飛、8番古賀も捕邪飛に仕留め、ピンチを脱して勢いづいた。

5回は先頭6番オスナの右前への飛球をミエセスがスライディングキャッチ。1死一塁では8番古賀の一、二塁間へのゴロを二塁中野が好捕し、間一髪で二塁封殺をもぎ取った。仲間の好守にも助けられ、6回2死一塁では4番村上を外角低めいっぱいの直球で見逃し三振。この時点で63年中井悦雄(阪神)以来60年ぶり、2リーグ制後のセ・リーグ記録に並ぶ開幕後31イニング連続無失点をクリアしていた。

村上は4月1日DeNA戦で救援として今季初登板。以降は先発として完封勝利を含む2勝を挙げており、いずれも無失点。この試合まで25イニング連続無失点だった。

▼村上が7回、サンタナに1発を浴び、開幕からの連続無失点が31回でストップ。開幕からの連続無失点記録は1リーグ時代の39年高橋(阪急)がマークした38回1/3、2リーグ制後は21年平良(西武)の38回だが、セ・リーグでは63年中井(阪神)に並ぶ最長記録となった。63年中井は新人で、プロ初登板から記録したもの。村上はプロ3年目も、昨年まで通算0勝1敗。セ・リーグで開幕から無失点を30回以上続けたのは中井と村上しかいないが、2人とも無失点スタート時は「プロ0勝」だった。なお、中井が失点したのは10月17日広島戦の2回で、村上と同じく藤井にソロ本塁打を浴びて止まっている。

◆中井悦雄(なかい・えつお)1943年(昭18)6月24日生まれ。大鉄(現阪南大高)から関大を経て阪神入団。1年目の1963年(昭38)にウエスタン・リーグでは最多勝、最優秀防御率、最高勝率の「投手3冠」を獲得。9月7日に1軍デビューを果たすと開幕から31イニング連続無失点を記録するなど、4勝をマーク。69年から西鉄に移籍。通算109試合登板、9勝6敗、防御率3・33。現役時代は180センチ、87キロ。右投げ右打ち。