昨年12月に名球会入りした阪神藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント(SA)の名球会ブレザー授与式が、ヤクルト8回戦の試合前に行われた。同氏は「感謝しかない。すごく素晴らしい時間だった」と振り返った。

授与式ではなじみのリンドバーグ「every little thing every precious thing」の曲に乗ってグラウンドに登場。プレゼンターである佐々木主浩氏(55=日刊スポーツ評論家)からブレザーを授与されると、ヤクルト高津監督、阪神岡田監督から花束を受け取った。

藤川氏は阪神などで守護神として活躍し、日米通算245セーブを挙げた。05年から22番を背負って球界を代表するストッパーになった。

この日は「小魔神くらいにはなれるやろうと、岡田監督が22番にしてくれた」と当時の岡田監督が背番号22を決めたというエピソードも明かした。岡田監督、さらに名球会で先輩でともに22を背負った佐々木氏、高津監督に囲まれ、「すごく縁を感じて阪神タイガース球団にも感謝だし、対戦相手のヤクルト球団にも。本当に感謝しかない」と感激した様子だった。

濃紺のブレザーをまとった同氏は今後の活動にも触れ、「もちろん、野球振興ですね。必ず野球を発展させる、スポーツを発展させる。現役で頑張ってる選手とファンの思いの間に入って一体化させるという自分たちの持ってる役割は大きいと思う。頑張っていきたい」と決意を語った。

名球会は従来、日米通算で打者が2000安打以上、投手が200勝以上もしくは250セーブ以上に限定されていたが、19年12月の総会で投手の分業制が進み、野球が変化する中で特例が設けられた。

「相当する記録保持者」として理事会から推薦され、本総会で会員の4分の3以上の賛成が得られたため、上原氏とともに特例による新加入が初めて決定されていた。