新潟コンマーシャル倶楽部が野田サンダーズに6-1で快勝し、第1代表を勝ち取った。先発の五十嵐樹希投手(23)が9回1失点、123球の熱投で勝利を呼び込んだ。打線も相手の失策からチャンスを作り、6得点で援護。新潟大会を勝ち上がった上位3チームは8月5日から長野県で行われる第2次予選北信越地区大会に出場する。

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最後の打者を見逃し三振に抑えた瞬間、五十嵐樹はマウンドでほえた。先発9回を投げ6安打、8奪三振で1失点。123球で完投した。「最初は変化球が浮き気味だった」と制球に苦しみ、5回まで毎回走者を許す厳しい投球が続いたが「『力を抜いていけ』と(古川昇)監督に言われたのもあるし、徐々に感覚が良くなっていく感じもあった」。6回からは真っすぐとカットボールを主体に相手打者に的を絞らせない投球で、終盤4イニングは1人の走者も許さなかった。

打線も2回に相手の失策から無死満塁のチャンスを作ると9番古川椋が甘く来た高めの真っすぐを見逃さず振り抜き、左前打で先制点を奪った。「なるべく早く先制点を取ってあげたいと思って打席に入った」。先制点を奪い勢いづいた打線はこの回一挙4点。5回にも相手の失策につけ込み2点を取り、試合を決めた。

昨年の決勝戦も同じ相手だったが、6-18(8回コールド)で大敗。今年はリベンジに燃えていた。五十嵐樹は「去年は試合で投げられなくて歯がゆい思いをした。第1代表で行かなきゃいけないし、何としてでもという思いだった」と昨年の雪辱を果たした。「この大会に懸けている。投げられるなら全部投げるぐらいの気持ちで行く」。初の新潟開催となる全日本クラブ野球選手権大会(9月)への出場権を勝ち取りに2次予選の行われる長野に乗り込む。【大島享也】

○…全新潟ブラックスは佐渡軍団との接戦を5-3で制し、第3代表の座をつかんだ。2-3の3回から2番手で登板した井上敬史郎投手(24)が7回無失点で好救援し、逆転勝利につなげた。切れ味のあるスライダーを軸に打たせて取る投球で、走者を許しながらも要所を抑えた。「調子はあまり良くなかったが、悪いなりにまとめられた」と自分の投球を評価していた。