阪神の女子硬式野球チーム「阪神タイガース Women」と、巨人運営の「読売ジャイアンツ女子チーム」が22日に甲子園で初対戦し、読売ジャイアンツ女子チームが5-0で勝利した。タイガース Womenは発足3年目、ジャイアンツ女子は今年から活動し、両チームの対戦は初。観客3431人が新たな伝統の一戦に熱い声援を送った。

阪神の永久欠番が聖地によみがえった。タイガース Womenの「5番二塁手」で先発した藤本莉央内野手(19)は、初代「ミスタータイガース」藤村富美男さんが背負った10番をつけてプレー。沢村賞3度受賞投手の村山実さんの背番号11は石村奈々投手(23)がつけた。

試合は初回2死一、二塁で読売ジャイアンツ女子チームの5番、長田朱也香捕手(22)の中前適時打を放って先制。その後も追加点を重ねた。完封した小野寺佳奈投手(21)は「女子野球をやる子どもたちの目指す場所になれば」と笑顔で言った。両チームは29日、巨人主催の東京ドームで再戦する。【村松万里子】

◆藤村富美男、村山実と巨人戦 阪神の初代ミスタータイガース藤村は、球団創立とともに入団。背番号10を背負って宿敵巨人に立ち向かった。1936年(昭11)7月15日、投手として史上初の阪神-巨人戦に救援登板し、勝利投手第1号に。その後は通算1069試合で4番を務めた強打者だった。また村山は1959年(昭34)に入団し、背番号11を使用。阪神では最多の巨人戦39勝をマークし、長嶋茂雄、王貞治らと真っ向勝負を繰り広げた。2人の背番号は、ともに永久欠番となった。

〇…85年阪神日本一監督・吉田義男氏(89=日刊スポーツ客員評論家)が、女子硬式野球チーム「阪神対巨人」(甲子園)を視察した。全日本女子野球連盟・山田博子会長、女子日本代表ヘッドコーチ・木戸克彦氏(阪神)を激励。「男女格差が当たり前だった時代に育ったわたしには、想像もできなかったイベントで隔世の感がある。野球ソフトボールの隆盛を願うばかりです」と見守った。試合後の山田会長は「未来への一戦になったと思います」と手応えを感じとっていた。

▽阪神Women上本監督 多くのファンに応援していただいて感謝しています。(29日に)やり返すというか、強い気持ちをもって戦いたいと思います。