阪神岡田彰布監督(65)はぶぜんとした表情で、報道陣の前に現れた。「疲れるわ。あきれて」とため息をついた。大事な後半開幕戦は“走塁と守備のミス”が響いて3-6で敗戦。「完璧、勝ちゲームやで」と強い口調で言い放った。

一番の怒りは9回の走塁ミスにあった。3点を追い、ヤクルト抑えの田口を攻めて1死一、二塁。梅野が放った右越えの大飛球を丸山和が捕れず、単打となった場面だ。二塁走者大山はタッチアップの態勢をとっていたため、本塁にかえれず、三塁止まりになった。

「3点差で一、二塁でタッチアップ、初めて見たわ。ビックリしたわ。オレ。1点差ならタッチアップやん。(あの場面は)ハーフウエーや。(大山が生還して)2点差になって1死二、三塁よ。二塁打やんか梅野も。全然違うよ、次、代打行くもん。同点には追いついとるよ」

ひとつの走塁ミスが、押せ押せの流れを断ち切ったと、不満を隠さなかった。

「首位にいてるチームが、こんな貯金つくってるチームが、まだそんなことするんやもんな。惜しかったで終わったら」。なあなあで済ませれば後々、命取りのプレーにつながるかもしれない危機感を募らせた。

この日、右肋骨(ろっこつ)を骨折した近本が1番中堅で復帰。遊撃以外は開幕時と同じ現状のベストオーダーで必勝を期したはずだった。だが、後半戦の先発の軸にと託した青柳は5回5失点で降板。「コントロールが全然やもんな。逆戻りやなあ」と投球内容にも首をひねったが、投球以外のミスにも納得がいかなかった。1回は一塁へのけん制悪送球から先制点を献上。5回無死一塁では捕前の犠打で、三塁がガラ空きになって三進を許し、直後に村上に2ランを浴びた。

「なんでけん制を投げるんやろ。バント処理にしても、塁空いてたら、行かなあかんやろ。そんなことは教えることじゃないよな」

2位広島とは勝率わずか3厘差で、ゲーム差なしに迫られた。7月は特に走塁や守りのミスが目立つ。「普通にやったらええんやて」とイラ立ちを隠せない。23日も連敗して、広島が勝てば、6月26日以来の首位陥落となる。苦い敗戦を薬に、今夜こそしっかり勝ち切りたい。【石橋隆雄】

阪神青柳(5回5失点で4敗目)「負けてしまったのがすべて。僕が勝てるチャンスがあるような試合にできなかったのが反省です」