さんしょうの香りよりも、得点のにおいを嗅ぎ取った。巨人秋広優人内野手(20)は、0-0で迎えた8回1死一、二塁の絶好機、初球の暴投で二、三塁にチャンス拡大すると鼻を利かせた。2球目の低めに沈むフォーク。バットが折れる鈍い音とともに、右前へ2点適時打を釣り上げ「うまく手出しできて、いいところに落ちてくれた。甘いところにきたらと思っていました」。甘い球を見逃さなかった。

「土用の丑(うし)の日」にあやかり、指揮官からパンチの効いたリクエストを受けた。前日29日の試合後に「さんしょうがピリッと利いたような守備力になってほしい」と原監督。すると7回の守備、中日細川の左翼線への打球を右手で捕球し、そのまま好送球でシングルにとどめた。辛口エールに「ピリッとします。ああいうプレーを増やしていけるように」。ただ「さんしょうは、辛いの食べられないんで。甘だれで。夜(ケータリングでうな重が)出るみたい」と試合後は甘口で味わった。

今カード、3番から5番起用に昇格。4番岡本和が申告敬遠で迎えたこの打席、5番初適時打が決勝打となり「そういう(敬遠後の)打席が増えると思いますけど、何とか打てるように頑張りたい」。チームをうなぎ上りの4連勝に導いて、7月を締めくくった。【栗田成芳】