新潟コンマーシャル倶楽部が9-0で野田サンダーズに大勝し、第1代表を勝ち取った。

先発の五十嵐翔空投手(21)が9回8安打で無失点に抑え、公式戦初の完投完封勝利を挙げた。

3回までは完全投球。4回以降はピンチを背負いながらも得点は許さなかった。新潟大会を勝ち抜いた上位3チームは10月14日から新潟市で行われる北信越地区クラブカップ大会に出場する。

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最後の打者を三ゴロに打ち取った五十嵐翔はグラブを3度、たたいた。「疲れました(笑い)。暑さもありましたけど投げ切れて良かった」と初の完投完封勝利をかみしめた。

力感のない投球フォームから投じる伸びのある直球と変化球を駆使し、3回までは完全投球で立ち上がった。4回には先頭三村に四球を与え、初の走者を許すと、後続を併殺打に打ち取る。ただ、2死から連打を浴びたところで古川昇監督(49)がマウンドへ。五十嵐翔は「ここで代えられると思った」と降板を覚悟も、伝えられた言葉は「最後まで行くぞ!」。1段階ギアを上げ、5番大塚を中飛に打ち取り、この日初のピンチを脱した。古川監督は「元々、力のある投手。結果を出してくれて良かった」と五十嵐翔をたたえた。

翔空の兄で投手でもあり、チームの投打の要の五十嵐樹希(23)は3番二塁手で先発出場。9回に適時二塁打を放つなど、攻守で翔空を援護した。樹希は「前日の夜に先発を告げられた時に少しハッパをかけた。うしろから見ていても、今日は良かったと思います」と弟の好投を照れながらも褒めた。

翔空は初の完投完封に手応えをつかんだが、出来は「80点」と言った。「終盤には体力もきつくて、制球が乱れた。兄にも、もっと楽に投げてもらえるように、もっと頑張りたい」と上を見据える。いずれは“兄超え”を誓う翔空の快進撃はまだ始まったばかりだ。【大島享也】

 

○…全新潟ブラックスが第3代表決定戦で10-0で佐渡軍団に7回コールド勝ちした。先発した井上敬史郎投手(24)が7回無失点で完封。低めを丁寧につく投球でテンポよく投げ込み、許した安打も4本と佐渡軍団の打線を抑え込み、。19日の五泉クラブ戦でも9回を投げ抜き、連投となったが「疲労はそんなになかった。下半身を使って投げるいい感覚もある。昨年は千曲川(硬式野球クラブ=長野)に負けているので、今年もあたればいいなと思ってる」とリベンジに燃えていた。