いきなりの背水のマウンドだ。

阪神西勇輝投手(32)が22日の中日戦(京セラドーム大阪)で、49日ぶりとなる1軍戦に先発する。甲子園室内練習場で行われた投手指名練習に参加。久々の先発に平常心で臨むことに意識を置き、中継ぎ陣に負担をかけない投球を誓った。

「(長い回を投げることは)当たり前だと思っています。中継ぎを見ても、僕が投げているときから、苦しい展開や先発が早く降りる展開が多かった。本当に迷惑をかけて、大変な思いをさせてしまったので、久しぶりに上がってきたからには、長いイニングを投げることは当たり前です」

対戦する中日は今季ここまで3度戦って、2勝0敗と好相性。竜キラーぶりを発揮し、無傷の3勝でゲームメークを狙う。

1軍復帰登板は、崖っぷち登板になる。遠征先の横浜から大阪に戻った岡田監督は「(結果次第で次は)ない、ない、ない。そら、ないよ」ときっぱり。続けて「そらあ、才木もピッチング始めたし、西純もなあ。調子の悪いもんが2人落ちてるから。それでまわってきたようなもんやからなあ。結局は」と説明した。実績十分の右腕であっても例外なく厳しい競争にさらされる。

「これだけ1軍に離れたことは2年目くらい」と言う右腕は、約1カ月半、2軍生活で若手陣と過ごした。1000球の投げ込みやブルペンを重点的に取り組んだ。13日、ウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)では6回4安打無失点と好投。「自分の中では来年にもつながるいい時間だった」とプラスに捉えた期間だった。

チームは現在、優勝マジックが「26」と、着実に減らしている。「長いイニングも見ながら、1イニング1イニング、1人1人に向かっていきたい」。経験豊富な背番号16が持ち味を最大限に出し、チームに白星を届ける。【三宅ひとみ】