巨人岡本和真内野手(27)が“天敵退治”で対阪神の連敗を5で食い止めた。同点の8回、次打者席で念じた。「俺に回してくれ」。2死一、二塁の勝ち越しのチャンスに、伊藤将の143キロ直球を捉えると打球は三遊間を抜けた。決勝の左前適時打に「もう狙いもくそもない。何とか打とうという気持ちだけ」。4番で主将は、一塁ベースで右手を上げ、感情をむき出しにした。

チームの天敵は、自身の天敵でもあった。伊藤将には昨季から3完封を含む5戦5敗。岡本和もこの打席の前まで、今季は9打席無安打に封じられていた。「めちゃくちゃコントロールがいい。カットもストレートもシンカーもチェンジアップも操れて、誘うこともできる」。勝負どころでのリベンジは無心。本能で反応した。伊藤将に今季10打席目での初安打で、21年7月10日以来の黒星を付けた。

開幕前も弱点克服のため戦っていた。苦手な早起きを続け、侍ジャパンとして2月のキャンプ中、練習開始前に一番乗りで球場入り。WBCでは2本塁打で本領発揮した。シーズンでも34本塁打、83打点で2冠を突っ走る。阪神戦の同一カード3連敗阻止と同時に、3位DeNAと0・5ゲーム差に再び詰め寄った。「本当にやられてばかりではいけない」。4番の意地を示していく。【上田悠太】

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